日本酒のアルコール度数はいくら?度数別の楽しみ方を紹介!

日本酒

日本酒は全国に地酒があるほど種類が多く、たくさんの人に愛されているお酒です。味や香りなど日本酒ごとに異なる魅力があります。日本酒は飲めるとお酒が強い人と認識されたり、おしゃれな雰囲気が出たりするので、飲んでみたいと考える方は多いでしょう。その反面、アルコール度数が高いため、苦手意識を持っている方も少なくありません。

では、日本酒のアルコール度数は実際どのくらいなのでしょうか。この記事では、日本酒の一般的なアルコール度数を、他のお酒と比較しながら詳しく解説します。また、近年注目を集めている「低アルコールの日本酒」や、一緒にたしなむと効果的な「和らぎ水」についても紹介しますので、これから日本酒に挑戦してみたい初心者の方もぜひ参考にしてみてください。

日本酒のアルコール度数はどのくらい?

クエスチョンマーク

お酒を飲むうえで気になるのがアルコール度数です。とくに日本酒は、お酒のなかでもアルコールが強く飲みにくいイメージがあるのではないでしょうか。ここでは、日本酒の平均的なアルコール度数と、他のお酒との違いを紹介します。

日本酒のアルコール度数の平均は15度前後

日本酒のアルコール度数は15度前後が一般的です。日本酒は製造過程で、20度ほどある原酒に水を加える「加水」をして、味やアルコール度数を調整しています。

原酒はお米独特の味わいを楽しめる反面、アルコール度数が高いため飲みにくく感じる人も少なくありません。そのため、スーパーなどの量販店では加水の工程を踏んだ15度前後の日本酒が多く販売されています。

日本酒の原酒はアルコール度数が高め

私たちがよく目にする日本酒は15度前後ですが、原酒では18~21度のアルコール度数があります。加水をする前の状態であるため、日本酒特有の濃厚な味わいと香りをより鮮明に味わえる点が特徴です。

お酒があまり強くないと飲みづらく感じることもありますが、独特な味わいから日本酒好きのなかには原酒しか飲まない人もいます。日本酒本来の旨みが楽しめるため、慣れてきたら少しずつ挑戦してみるのもおすすめです。

他のお酒とのアルコール度数を比較

お酒は、大きく醸造酒と蒸留酒の2種類に分類されます。日本酒は、ビールやワインなどと同じ醸造酒です。原料を酵母や麹菌・乳酸菌などの微生物によってアルコール発酵させたお酒を指します。蒸留酒は、醸造酒を蒸留してつくったお酒で、焼酎やウィスキー、ウォッカなどが代表的です。

醸造酒のほうがアルコール度数は低めですが、同じ醸造酒の中でもお酒の種類によって大きく変わります。ふだんなじみのあるビールやワインなどに比べて、日本酒のアルコール度数はどのくらいか、わかりやすく表にまとめましたので、参考にしてみてください

お酒 種類 アルコール度数
ビール 醸造酒 5~6%
シャンパン 醸造酒 12%前後
ワイン 醸造酒 12~14%
日本酒 醸造酒 15~16%
焼酎(乙類) 蒸留酒 25%
ウィスキー 蒸留酒 40%以上
ウォッカ 蒸留酒 40%以上
ブランデー 蒸留酒 40%以上
ジン 蒸留酒 40%以上

醸造酒のなかでは、日本酒のアルコール度数が最も強いことが分かります。蒸留酒になると一気に度数が高いですが、そのままではなく水やジュースなどで割ることも多いため、飲み方によっては日本酒の方が度数が高くなるケースもあります。

醸造酒のなかで日本酒のアルコール度数はなぜ高い?

数ある醸造酒のなかで日本酒のアルコール度数が高い理由は、他の醸造酒とは違うアルコール発酵を行っているからです。

通常アルコール発酵は、酵母がブドウ糖に働きかけることによって起こります。しかし、日本酒の原料であるお米にはアルコールを発酵させるための糖分が十分にありません。

そのため、デンプンから糖分をつくる工程と、アルコールを発酵する工程を同時に行う「並行複発酵」が基本的には採用されています。並行複発酵は、糖化と発酵がひとつの容器内で同時に起こるためアルコール生成の効率が上がり、アルコール度数が高くなります。

低アルコールの日本酒も増えている

スパークリングワインをグラスに注ぐ

日本酒のアルコール度数は15度前後あるため、人によっては「アルコールがキツイ」と感じるでしょう。最近では、強いお酒が苦手な方に向けた低アルコールの日本酒も増えてきています。

ここでは、低アルコールの日本酒について詳しく解説します。

なぜ低アルコールの日本酒が増えているの?

低アルコールの日本酒が増えている背景には、ビールやチューハイなどの低アルコール飲料を飲む方に日本酒を楽しんでもらいたいという思いがあります。

強いお酒が苦手な方はもちろん、「お酒を楽しみたいけど、二日酔いや悪酔いが心配」という方は、アルコール度数の高い日本酒は手が出しにくいです。そんなときに助かるのが低アルコールの存在でしょう。

ビールやチューハイなど、アルコール度数が低いお酒はたくさんありますが、そのなかに日本酒が入ることで消費者の選択肢が広がっています。より多くの人に日本酒を楽しんでもらうため、アルコール度数を低くした日本酒づくりに挑戦する酒蔵が増加しているようです。

低アルコールの日本酒は、甘くまろやかな味わいのものが多く、お酒にあまり強くない方や、日本酒に苦手意識がある方にもおすすめです。また、女性や若い世代をターゲットにしたおしゃれなデザインの低アルコール日本酒も増えています。

一般的な日本酒との度数の違い

一般的な日本酒のアルコール度数は15度前後ですが、低アルコールの日本酒は8~13度のため、飲みやすい点が特徴です。

また、一般的な日本酒はそのまま飲むことが多いですが、低アルコールの日本酒はカクテルにして楽しむこともできます。アルコール度数が気になる方は、ソーダ割りなど自分好みに工夫することで、より飲みやすくなるでしょう。

低アルコールの日本酒の味の特徴

低アルコールの日本酒は、初心者でも飲みやすいまろやかな口当たりが特徴です。アルコール特有の味や香りを抑え、フルーティな味わいがある日本酒も多いため、女性でも飲みやすいでしょう。一般的な日本酒と同様に、甘口や辛口などバリエーションがあり、炭酸を含んだスパークリング日本酒も増えています。

日本酒の市場拡大にともない、さまざまな種類の低アルコール日本酒がつくられています。そのため、世代を問わず手軽に楽しめることも人気が高まっている理由です。

アルコール度数の違い別!日本酒の楽しみ方を紹介

おちょこに入った日本酒3種

日本酒と一口に言っても、種類によってアルコール度数が異なるため、好みに合わせて選ぶことができます。食事によって日本酒の味を変えるのもいいでしょう。ここでは、アルコール度数別で日本酒の種類や楽しみ方を紹介します。

5~10度は初心者におすすめ

日本酒をあまり飲んだことのない方におすすめなのが、5~10度の低アルコール日本酒です。ビールやチューハイとそれほどアルコール度数が変わらないため気軽に楽しめます。

甘味と酸味のバランスがよく、食前酒として軽くお酒をたしなみたいときにも最適です。冷蔵庫でしっかり冷やすと、より飲みやすさがアップします。

11~12度はワインが好きな方におすすめ

ワインと同程度の11~12度の日本酒は、適度にお酒を楽しみたい方に向いています。一般的な日本酒よりアルコール度数は低めですが、お酒の味と風味を楽しめる度数です。日本酒が飲みたいけれど、少し軽めのほうがよいときは、11~12度のものをセレクトしてみましょう。

また、適度なアルコールが心地良い日本酒の香りを楽しませてくれるため、ワイングラスのような広口のもので飲むのもおすすめです。

18~21度は日本酒本来の味を楽しみたい方におすすめ

18~21度の日本酒は、お酒本来の味わいを楽しめます。利き酒や銘柄によって異なる味や風味をじっくり味わいたい方におすすめです。原酒ならではの濃厚さや香りがあるため、ロックやソーダ割にも適しています。

ただし、アルコール度数が強いため、ガッツリ飲むというよりもお酒をたしなむ程度がいいでしょう。少量を味わいながら日本酒の魅力に酔いしれるには最適なアルコール度数です。

また、22度以上の日本酒もありますが、法的には日本酒に分類されません。ウィスキーのようにリキュール感覚で楽しむことができ、カクテルなど日本酒を楽しむ幅が広がるでしょう。見かける機会は少ないですが、奥深いお酒の世界を知れるので挑戦してみるのもおすすめです。

日本酒を飲むときに「和らぎ水」がおすすめな4つの理由

水の入ったグラスを持つ手

日本酒はアルコール度数が比較的高いため、量によっては悪酔いしたり、二日酔いしたりするおそれがあります。ストレートで飲むことの多い日本酒は少量でも酔いやすいほか、なかには水のように飲めるものもあり、ついつい飲み過ぎてしまうこともあるでしょう。そこでおすすめなのが「和らぎ水(やわらぎみず)」です。

和らぎ水とは、日本酒を飲むときに一緒に飲むお水で、チェイサーと同じ意味を持ちます。特別な水ではなく、ミネラルウォーターや水道水といった一般的な水が使われます。

日本酒を飲むときに役立つ和らぎ水について、メリットや効果を詳しくみていきましょう。

二日酔いを防ぐ

お酒を楽しむうえで避けたいのが悪酔いと二日酔いです。お酒を飲み過ぎると、吐き気や頭痛などを引き起こすおそれがあり、次の日まで症状が続くことも少なくありません。

日本酒と一緒に和らぎ水を飲むことで、飲む量やペースをコントロールでき、二日酔いを防ぐ効果が期待できます。

同じ水分量でも、お酒だけと水が交互に入るのとでは身体への負担が変わってきます。日本酒を飲む分量と同じだけ、和らぎ水を飲みましょう。そうすることで体内のアルコールが中和され、次の日に響きにくくなります。

脱水症状を防ぐ

お酒を飲むとトイレが近くなる人は多いでしょう。これはアルコールの利尿作用からなるもので、お酒を飲んだ分よりも多くの水分が尿として排出される仕組みです。そのため、お酒を飲めば飲むほど脱水症状になるリスクが高まります。

また、アルコール分解には2型アルデヒド脱水素酵素が必須ですが、この酵素が働くには水分が不可欠です。脱水症状を緩和し、アルコール分解を促すためにも、和らぎ水は欠かせない存在といえます。

胃の負担を軽減させる

和らぎ水を使って胃の中のアルコールを薄めてあげると、胃への負担を軽減できる可能性があります。

食事前のお酒は食欲を促進させる効果がある反面、飲み過ぎると胃の粘膜を傷付けるおそれがあります。とくに胃が空っぽの状態で、アルコール度数の高い日本酒を取り入れることは危険です。このような胃の負担を軽減させるためにも、こまめに和らぎ水を飲みましょう。

また、和らぎ水を常温で飲むことも、胃の負担を軽減させるためには重要です。冷たすぎる水は、胃に負担をかけてしまうおそれがあるため温度にも気を付けましょう。

リフレッシュ効果がある

日本酒に限らず、お酒を飲むときはおつまみや料理を食べる方が多いでしょう。脂っこいものや塩分の濃いもの、味付けの強いものばかり口に含んでいると、味覚が鈍化することもあります。

そこで、和らぎ水を合間に取り入れて口の中をリフレッシュしてみましょう。水を飲むたびに口の中がさっぱりして、料理や日本酒をより楽しめるようになります。

日本酒のアルコール度数を知ってそれぞれの味を楽しもう

おちょこで乾杯

アルコール度数が高いイメージのある日本酒ですが、種類によって強さが大きく変わってきます。最近では低アルコールの飲みやすい日本酒も登場し、初心者の方でも気軽に楽しめるようになりました。好みや食事に合わせて、最適な度数のものを選びましょう。

ただし、醸造酒のなかではアルコール度数が高いため、日本酒を飲むときは合間に和らぎ水を挟んで身体への負担を減らすことが大切です。

ぜひ、自分なりの楽しみ方を見つけて、奥深い日本酒の世界を堪能してみてください。

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