日本酒検定ってどんなもの?受験方法や実際に出題された例題を紹介!

日本酒

近年では、男性だけではなく女性でも日本酒を好んで飲む方が増えてきました。

日本酒が好きな方のなかには、「お酒のことをもっと知りたい」と思われている方も多いでしょう。

そのような方は、「日本酒検定」に挑戦してみてはいかがでしょうか。

今回は、日本酒検定の概要の他、受験方法や実際に出題された例題と併せてご紹介します。

日本酒検定ってなに?

ノートを持った女性とはてな
日本酒検定は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が実施している検定試験です。

日本酒の魅力を多くの人に知ってもらうことや楽しんでもらうことを目的としており、2010年の開始以来、累計で約5,000人が合格しています。

日本酒検定は個人でも受験可能ですし、10名以上であれば団体受験も可能です。
下記は、日本酒検定で出題される分野です。

  • 歴史、文化
  • 造り方
  • モラル・マナー
  • 楽しみ方
  • 雑学

これらに関する正しい知識を身に付けることで、日本酒への造詣が深まり、お酒をこれまで以上に楽しめるでしょう。

日本酒検定を運営するSSIとは?

日本酒検定を運営しているSSIとは、1991年に酒造業界や酒類流通業界などからの支援を受けて誕生した団体です。

日本酒の歴史は神話にまでさかのぼるほど古く、土地独特の気候風土や文化のなかで磨かれ、研ぎ澄まされてきました。

SSIはそんな日本酒の歴史や魅力を一般の方に伝えるべく、消費者目線に立った日本酒のプロフェッショナルの育成を目的に活動しています。

また、近年では世界中からのニーズに応えるため、国内外問わずさまざまな活動を行っております。

日本酒検定の種類や受験資格・受験方法を紹介

募集要項と書かれた封筒
では実際に、日本酒検定を受験するにはどうすればよいのでしょうか。

ここでは、日本酒検定の種類や受験方法、合格基準についてご紹介します。

日本酒検定の種類

日本酒検定には「1級」「準1級」「2級」「3級」「4級」「5級」の6つのランクが存在します。
それぞれのランクに応じて求める人物像が下記のとおり設定されており、階級が上がるほど求められる能力は高くなります。

5級・4級 日本酒の基礎知識・周辺知識を活用し、日本酒の魅力を自身で楽しめる
3級 日本酒の基礎知識・周辺知識だけでなく、特徴や魅力を理解して第三者に伝えられる
2級 日本酒の特徴や魅力を理解したうえで、新しい楽しみ方を考案できる
準1級
1級
日本酒のあらゆることに精通し、後世へ適切に継承・発展できる

5・4級の検定に合格すると賞状がもらえますが、3級以降はカード型の認定証書を交付してもらえます。

級別受験方法や受験資格を紹介

日本酒検定の受験方法にはネット検定・CBT試験・会場検定の3種類の方法があり、階級によって選択できる受験方法が異なります。

階級別の受験方法別の詳細は以下のとおりです。

階級 開催日時 試験時間 受験方法 受験料
(税込)
受験回数 出題方式
5級
4級
随時 50分 ネット受験
1,100円
3回まで 5級:正誤選択方式
30 問
4級:二肢択一選択方式
30 問
3級 随時 50分 CBT試験 4,650円 四肢択一選択方式
50 問
2023年9月9日(土)
(申込締切:8月31日)
1部 10:30~11:20
(受付10:00)
2部 13:00~13:50
(受付12:30)
3部 15:30~16:20
(受付15:00)
会場受験 3,740円 四肢択一選択方式
50 問
2級 随時 50分 CBT試験 5,200円 四肢択一選択方式
50 問
2023年9月9日(土)
(申込締切:8月31日)
1部 10:30~11:20
(受付10:00)
2部 13:00~13:50
(受付12:30)
3部 15:30~16:20
(受付15:00)
会場受験 4,290円 四肢択一選択方式
50 問
準1級 2023年9月9日(土)
(申込締切:8月31日)
1部 10:30~11:20
(受付10:00)
2部 13:00~13:50
(受付12:30)
3部 15:30~16:20
(受付15:00)
会場受験 4,840円 四肢択一選択方式
50 問
1級 2023年9月9日(土)
(申込締切:8月31日)
1部 10:30~11:20
(受付10:00)
2部 13:00~13:50
(受付12:30)
3部 15:30~16:20
(受付15:00)
会場受験 5,280円 四肢択一選択方式
50 問

なお、CBT試験とは、全国のテストセンターでコンピューターで受験する方法です。試験結果は即時判定されます。

日本酒検定の合格基準

日本酒検定には、下記のようにそれぞれの階級で合格基準が設けられています。

ランク 正答率
5級・4級 70%以上
3級 70%以上
2級 75%以上
準1級 80%以上
1級 85%以上

階級が上がるほど高い正解率が求められ、深い知識が必要になることがお分かりいただけるでしょう。
日本酒検定の問題は、3級までは「酒仙人直伝よくわかる日本酒」という公式テキストを、2~1級は「新訂 日本酒の基」という公式テキストから出題されます。テキストを熟読し、試験に臨みましょう。

日本酒検定の例題を解いてみよう!

山積の本
日本酒検定にぜひ挑戦してみたい!と思っても「実際にはどのような問題が出題されるのだろう」「自分でも合格できるだろうか」などと不安に思われている方もいらっしゃるでしょう。

そんな方のために、以下では、実際に日本酒検定で出題された例題をご紹介します。
ぜひ一度、チャレンジしてみてください。

日本酒検定3級の例題

Q1.『古事記』や『風土記』の中での日本酒の呼び名を、下記より1つ選んでください。
1.マキ  2.ユキ  3.ミキ  4.サキ

Q2.日本酒造りにもっとも多く使用されている協会酵母を、下記より1つ選んでください。
1.協会7号  2.協会9号  3.協会1501号  4.協会1801号

Q3.涼冷えと呼ばれる温度帯を、下記より1つ適当なものを選んでください。
1.10℃前後  2.15℃前後  3.20℃前後  4.25℃前後

正解は上から順に3、1、2となります。

ほかにも、日本酒の原料となるお米の生産地や酒気帯び運転の罰則といった問題が出題されたこともあります。

これらの問題で正答率が70%を上回れば、3級の検定試験に合格できます。

日本酒検定1級の例題

Q1.日本で最初に誕生した酒類の痕跡が残った遺跡の場所を、下記より1つ選んでください。

1.青森県三内丸山  2.長野県八ヶ岳  3.佐賀県吉野ヶ里  4.鹿児島県上野原

Q2.静岡県で開発された酵母として誤っているものを、下記より1つ選んでください。
1.HD-1  2.NO-2  3.NEW-5  4.AC-95

Q3.2007年農林水産省選定郷土料理百選の中で、おっきりこみが選定された県を、下記より1つ選んでください。
1.岩手県  2.群馬県  3.岐阜県  4.長崎県

正解は上から順に2、4、2となります。

その他、日本酒の輸出量や全国の乾杯条例、薄めた日本酒をやゆした名称などが出題されました。

1級は問題の難易度が高いにもかかわらず、85%の合格率が求められることから、多くの時間を勉強に費やす必要があるでしょう。

日本酒の販売者向けの資格も紹介

酒瓶を持った女性店員
日本酒検定は消費者向けの資格ですが、お酒を提供・販売する方向けの資格もあります。
こちらでは、日本酒販売者向けの資格を5つご紹介します。

唎酒師(ききさけし)

唎酒師(ききさけし)とは、「日本酒のソムリエ」とも呼ばれる資格です。日本酒販売者だけではなく消費者も挑戦できます。

資格取得にはカリキュラムを履修のうえ、試験を受け、さらに課題によって、その基準を満たしているかどうか判断されます。

求められる知識やスキルは深く、日本酒に関する公式テキストは約300ページ分学ぶ必要があるほか、飲食・酒類/食品販売サービス従事者としての必須知識を解説した約200ページにも及び公式テキストを学ばねばなりません。

また、毎年の更新が必要な「資格登録制度」を採用しており、継続して能力向上や最新のノウハウを習得してブラッシュアップを図る必要があります。

SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)

SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)は一般社団法人日本ソムリエ協会が認定する、日本酒や焼酎に関する資格です。

試験には全国47都道府県内に指定された会場で受験する一次試験と、特定の地域で受験する二次試験があり、そのどちらにも合格しなければなりません。

一次試験の受験に際しては教本が配布され、試験内容は教本から出題されます。二次試験では配布されないため、協会のWebサイトから購入しなければなりません。

合格率は4割程度と、難易度が高めの試験ですが、挑戦することで日本酒や焼酎についての知識をより深められるでしょう。

酒匠(さかしょう)

酒匠(さかしょう)は唎酒師、焼酎唎酒師からステップアップし、卓越したテイスティング能力を身に付けた方に認定される資格です。

日本酒・焼酎のセールスプロモーションのスペシャリストを育成するために、テイスティングや味覚のトレーニング、香りの表現方法の習得などが実施されます。

酒匠の資格を取得すれば、販売立案力が向上し、消費者に対してより分かりやすく提案できたり、商品を選定したりできるようになるでしょう。

国際唎酒師

国際唎酒師(こくさいききさけし)とは、海外の方や訪日外国人に対して日本酒のセールスプロモーションを行える資格です。

増加する外国人の日本酒需要に応えるため、外国語で適切に日本酒を案内します。

唎酒師の延長線上ともいえる資格であり、日本酒の商品特性を深く理解することが重要です。

また、直接日本酒を案内、提供するだけでなく、観光シーンやメディアなどにおいて、日本酒に関する情報を発信することもでき、さまざまな場面で活躍する可能性のある資格といえるでしょう。

日本酒学講師

日本酒学講師(にほんしゅがくこうし)は日本酒と焼酎に関する知識を正しく伝えることができる講師の資格です。

こちらの資格を取得することにより、従業員の育成や利益の拡大、日本文化を広げるといったことに貢献できるでしょう。

資格取得のためのセミナーでは、専門知識のほかにもインストラクション、コミュニケーション、プランニングといったスキルも養います。

また、日本酒学講師のセミナーを受講した方には日本酒ナビゲーターや焼酎ナビゲーターといった資格も取得できます。

日本酒の理解を深めたい人におすすめ

合格鉢巻と筆記用具
今回は日本酒検定や、その他日本酒に関する資格についてご紹介しました。

日本酒検定は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が実施している、日本酒への造形を深め、もっと日本酒を楽しむための検定試験です。

6階級に分かれており、基礎から応用までさまざまな知識を身に着ける必要があります。

また、日本酒に関する資格には、他にも唎酒師やSAKE DIPLOMAといったものもあります。

日本酒に関する知識を深めたり、知識を提供したい方はこれらの検定試験に挑戦してはいかがでしょうか。

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