シャインマスカットの旬の時期は?産地や選び方を解説

フルーツ

パリッとした食感で食べ応えがあり、上品な甘みとジューシーな果汁が魅力の「シャインマスカット」。種がなく、皮ごと食べられることから、幅広い世代に大人気のフルーツです。

しかし、シャインマスカットは他のフルーツよりも高価なので、「できるだけ旬の美味しいものを選びたい」と考えている方も多いでしょう。

そこで今回は、シャインマスカットの旬の時期や主な産地、美味しいシャインマスカットの選び方のポイントを紹介します。正しい保存方法についても紹介するので、「旬のシャインマスカットを美味しく味わいたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

シャインマスカットってどんな果物?

シャインマスカットとは、日本で2006年に品種登録された白ぶどう品種です。

シャインマスカットは、スチューベンとマスカット・オブ・アレキサンドリアを交配して誕生した「ブドウ安芸津21号」に、「白南(はくなん)」を交雑して育成したものです。

白ブドウ品種はシャインマスカット以外にも「翠峰(すいほう)」や「白峰(はくほう)」、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」などの品種が存在します。

シャインマスカットは、日本の気候に合うように品種改良された品種で、果皮は黄緑色、粒の大きさは15〜17gほどで食べ応えがあります。さらに、糖度は17%前後と高糖度で酸味はほとんどありません。

パリッとした食感やさわやかな香り、上品な甘さ、種がなくて皮ごと食べられることから、小さな子供から高齢者まで幅広い層に人気があります。

シャインマスカットの旬の時期はいつ?

シャインマスカットの旬の時期は産地や栽培方法によっても異なりますが、一般的には8月〜10月頃が美味しい旬の時期です。

7月頃から市場に出回り、徐々に出荷が増え始めてスーパーやデパート、百貨店などの青果売り場では、8月下旬〜12月まで手に入れることができます。

百貨店やデパートで販売されている贈答用のシャインマスカットの値段は、1房4,000円〜6,000円ほどです。スーパーや果物屋さんでは、2,000円〜3,000円ほどで販売されます。

また、通常のシャインマスカットよりも粒が大きくて、1房が700g以上の高級マスカットになると、10,000円以上で取り引きされることもあります。

シャインマスカットの産地はどこ?

シャインマスカットの主な産地は、長野県、山梨県、山形県、岡山県です。この4県で、全国生産量の74%を占めており、各生産地では生産者が研究を重ねながら、品質の高いシャインマスカット作りに励んでいます。

ここでは、4県で栽培されているシャインマスカットの特徴や、出荷時期を紹介します。

長野県

ぶどうの収穫量全国第2位の長野県では、種なしで皮ごと食べられる「ナガノパープル」や「クイーンルージュ」といった新品種の開発・研究が盛んです。

そんな長野県のシャインマスカットは、味を重視して栽培されているのが特徴。1粒に甘みが凝縮されたシャインマスカットは、全国的に人気となっています。

1房につける粒の数もきちんと管理されたシャインマスカットを、9月〜10月頃にかけて出荷しています。標高が高くて水はけが良い土壌や、昼夜の寒暖差が大きい長野県の気候がマスカットづくりには最適です。

甘みや旨みを存分に引き出した、品質の高いマスカットを味わうことができます。

山梨県

ももやすもも、さくらんぼなど、さまざまな果物が栽培されている山梨県では、ぶどうの収穫量も日本一を誇り、新品種の開発も盛んです。

年間の降水量が少なくて昼夜の寒暖差が大きい「盆地気候」が、果物栽培に適しており、シャインマスカットも全国生産量の約30%を占めています。旬の時期は8月〜10月頃、出荷最盛期は8月〜9月です。

シャインマスカットの栽培に適した気候と、厳しい品質基準のもとで生産されたシャインマスカットは、見た目も美しくて味も一級品。1粒が大きくてボリュームがあり、贈答品にもおすすめです。

山形県

山形県もぶどうの生産が多数行われており、中でもデラウェアは日本一の生産量を誇っており、シャインマスカットも多く栽培されています。

寒暖差の大きいことや日照時間が十分にあること、夏場の降水量が少ない山形県の気候が、甘くて美味しいぶどうを育てます。

澄んだ空気と水がきれいな山形県で栽培されるシャインマスカットは、糖度が20度前後もあり、大粒で酸味が少ないのが特徴です。出荷時期は8月〜12月頃で、9月〜10月に最盛期を迎えます。

岡山県

古くからぶどうの生産が盛んな岡山県では、シャインマスカットの他にも、ピオーネ、マスカット・オブ・アレキサンドリア、紫苑(しえん)など、多彩な品種が栽培されています。

岡山県では加温栽培の高い技術で高品質化に取り組み、「晴王(はれおう)」など独自のシャインマスカットブランドも誕生。

岡山県は地域ごとの気温差が激しく、地域によって少しずつ収穫時期にズレがあるため、長期間シャインマスカットを楽しめます。

収穫時期は7月下旬〜11月下旬頃ですが、岡山県では10月に収穫したマスカットを最適な温度で管理することで、11月〜12月まで「氷温ぶどう」として出荷しています。

美味しいシャインマスカットの選び方

シャインマスカットはさわやかな香りや上品な甘さ、パリッとした食感が魅力のフルーツですが、他のフルーツよりも価格が高めに設定されています。そのため、購入するときには、「できるだけ美味しいものを選びたい」と考える方も多いでしょう。

ここでは、美味しいマスカットを選ぶときのポイントについて、詳しく解説します。

ハリや艶がある

シャインマスカットを選ぶときには、皮にハリや艶があるものを選びましょう。

皮にハリや艶があるシャインマスカットには水分が多く含まれているため、みずみずしさやパリッとした食感、香りがより楽しめます。

反対に、皮にシワがあるシャインマスカットは、鮮度が落ちて水分が蒸発してしまっている状態のため、味わいが少し劣っている可能性があります。そのため、購入するときには房全体の状態をよく観察して、粒がしっかり張っていて艶のあるものを選びましょう。

房が大房(逆三角形)のもの

ぶどうはシャインマスカットに限らず、枝に近い部分から熟していくため、房の上部は糖度が高いという特徴があります。

そのため、房が大房で粒が軸にしっかりくっついている、逆三角形のものを選ぶとより甘さが感じられておすすめです。

そして、シャインマスカットを食べるときには、甘みの少ない下の部分から上に向かって食べるのがポイントです。下から上に向かって食べることで、だんだん甘さが増していき、最後まで美味しく食べられます。

薄茶色や黄色

シャインマスカットといえば、きれいな緑色をイメージする方も多いかもしれませんが、少し黄色がかった黄緑色のマスカットは、熟していて糖度が高い傾向です。また、粒についた薄茶色のシミは汚れや傷みではなく、糖分が多い証拠です。

見た目は悪くても、より甘みが増していて美味しい状態なので、そのまま食べられます。ただし、黒や灰色、白色になっているものは、傷みやカビが発生している場合もあるので選ばないようにしましょう。

軸が緑色

シャインマスカットを選ぶときには軸の色をチェックして、軸が緑色のものを選ぶようにしましょう。新鮮なシャインマスカットは、軸が緑色で鮮度が落ちると茶色に変化します。

鮮度が落ちてしまうと、甘さやみずみずしさが失われてしまうので、できる限り鮮度の高いものを選ぶことが大切です。シャインマスカットに限らず、他のぶどうを選ぶときにも軸が緑色のものを選ぶと、鮮度のよいものが選べるでしょう。

シャインマスカットの保存方法

シャインマスカットは粒が大きくて食べ応えがあるので、一日で食べきれず、数日かけて食べるという方もいるでしょう。

しかし、ぶどうは繊細な果物であるため、正しい方法で保存しておかなければ品質が落ちてしまいます。

ここでは、シャインマスカットの保存の種類や、冷蔵・冷凍保存の手順について解説します。

シャインマスカットの保存の種類

シャインマスカットの保存方法には「常温」「冷蔵」「冷凍」の3つの種類があります。

常温で保存する場合の保存期間は、1〜3日ほどが目安。常温保存の場合は1房ずつ新聞紙で包み、直射日光の当たらない1〜15度くらいの冷暗所での保存がおすすめです。

シャインマスカットは収穫後に熟すことのない果物であるため、冷暗所で保存しておく方が、鮮度を保った状態で美味しく食べられます。

また、3日以内に食べきれそうにない場合は、冷蔵や冷凍での保存がおすすめです。

冷蔵保存の手順

冷蔵保存は3日以内に食べきれないときや、室内の気温が高いときにおすすめの保存方法です。ただし、そのまま冷蔵庫内に保存してしまうと、乾燥して味が落ちてしまいます。

そのため、次のような方法で丁寧に保存しましょう。

・1房ずつ新聞紙またはジッパー付き保存袋に入れて、野菜室で保存する。
・パック容器ごとアルミホイルで包み、野菜室で保存する。
・房から1粒ずつハサミで切り離し、キッチンペーパーを敷いた密閉保存容器に重ならないように並べたあと、蓋をして野菜室で保存する。

新鮮なシャインマスカットには、乾燥や病気から実を守る「ブルーム」と呼ばれる白い粉が付いています。鮮度を保つためにも、水洗いせずに保存してください。

冷凍保存の手順

シャインマスカットを10日ほど日持ちさせたい場合は、冷凍保存がおすすめです。

冷凍保存の手順は以下の通りです。

1.軸を3mmほど残し、ハサミで房から実を切り離す。
2.実を洗い、キッチンペーパーで水気をきれいに拭き取る。
3.ジッパー付き保存容器や冷凍保存容器で、密封して冷凍する。

また、冷凍したシャインマスカットは半解凍して食べると、常温保存では味わえない、シャリシャリした食感が楽しめます。冷凍保存の場合は3〜4週間程度保存できますが、少しずつ鮮度や味が落ちていくので、できるだけ早く食べきるようにしましょう。

シャインマスカットの美味しい食べ方

シャインマスカットは常温のまま食べても美味しく頂けますが、食べ方を工夫することで違った味わいを楽しむことができます。

ここでは、冷蔵庫で冷やして食べる方法とアレンジして愉しむ方法の2パターンを紹介します。

冷やしてそのまま食べる

シャインマスカットは常温のまま食べても美味しいフルーツですが、冷蔵庫で冷やして食べるとより美味しく食べられます。冷やしすぎると甘みを感じにくくなるので、食べる2〜3時間前に冷蔵庫で冷やすのがおすすめ。

また、シャインマスカットに付着している白い粉「ブルーム」は、鮮度を保つ役割を果たしています。できる限りブルームを落とさずに食べるためにも、洗うのは食べる直前にすることも美味しく食べるポイントです。

アレンジして愉しむ

シャインマスカットは、皮ごと食べられて種がないフルーツです。そのため、スイーツやサラダなどの料理に活用しやすく、さまざまなアレンジをして楽しむ方法もおすすめです。

例えば、暑い時期には冷凍庫で凍らせてシャーベットやアイスにして食べたり、ケーキやタルトのトッピングに使ったり、サラダにして食べたりするのもよいでしょう。

また、フルーツサンドにすればボリューム満点で、子供のおやつにもぴったりです。カットしたときの断面も美しく写真映えするので、目で見て楽しめるのもシャインマスカットの魅力です。

まとめ

シャインマスカットは、大粒で皮ごと食べられて種がないのに加え、糖度が高く、パリッとした食感やさわやかな香りが楽しめるフルーツです。

旬の時期は産地や栽培方法によっても異なりますが、一般的には8月〜10月頃で、8月〜9月が出荷最盛期となります。

シャーベットにしたり、ケーキにしたりとさまざまな方法で美味しく食べられて、幅広い層に人気があるので、贈答品にもぴったり。

選ぶときには、軸が緑色で皮にハリや艶があるもの、薄茶色や黄色のものを選んで、みずみずしくて糖度が増したマスカットを味わってみてください。

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