山形県のりんごの特徴とは?主な品種や美味しい食べ方を紹介!

蜜の入ったりんご フルーツ

山形県産の果物といえば「さくらんぼ」を思い浮かべる方が多いでしょう。

実は、山形県はりんごの名産地としても知られていることをご存知でしょうか?

山形県は全国でもりんごの生産量が多い地域であり、さまざまな品種が県内各地で栽培されています。

また、世界で一番多く栽培されている品種「サンふじ」の誕生の地でもあります。

本記事では、山形県で生産されているりんごの特徴や主な品種、生産地などを詳しく解説していきます。

旬のりんごの美味しい食べ方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

山形県のりんごとは?

りんごに差し込む太陽の光
山形県は2020年の収穫量では、青森県や長野県、岩手県に続いて全国第4位の、有数のりんごの産地として有名です。

山形県の内陸部の丘陵地や山地がある地域は、気候が果物栽培に適しており、特にりんごを育てるのに優れた条件がそろっています。

山形県のりんごは、甘みと酸味のバランスが絶妙で美味しさと食感に定評があります。

また、さまざまな品種が栽培されていることも特徴です。

「つがる」や「王林」「シナノスイート」といった、ほかの地域でも栽培されているものから、山形県オリジナルの「秋陽(しゅうよう)」まで、幅広い品種が栽培されており、それぞれ個性的な味わいを持っています。

ちなみに、山形県のりんごは完熟を迎える時期に収穫をおこなうため、他の地域のりんごよりも蜜が多く入っている点が魅力です。

山形県は「無袋ふじ」に日本ではじめて取り組んだ

山形県は「無袋ふじ」に日本ではじめて取り組んだことで有名です。

かつて「ふじ」の栽培は果実に袋をかけて育てていました。

しかし、果実ひとつひとつに袋をかける作業は大変手間がかかり、生産者の負担となっていました。

そこで、1970年に山形県朝日町で編み出されたのが、果実に袋をかけずに栽培する手法(無袋栽培)です。

袋をかけず太陽の光を浴びることで実が大きく色鮮やかに育ち、果皮の美しさを引き立たせることに成功しました。

これが無袋ふじの誕生です。

無袋栽培の手法が編み出されてからさまざまな研究が進み、甘味や酸味が強くジューシーな現在の無袋ふじができあがりました。

現在でも、山形県の無袋ふじは日本国内外で高い評価を受けています。

なお、無袋ふじは、太陽の光を浴びて育てる手法から別名「サンふじ」とも呼ばれます。

山形県で生産されているりんごの品種

りんご6種類
山形県ではさまざまな品種のりんごが生産されています。

ここでは、山形県で生産されている主な品種を8つご紹介します。

サンふじ

先ほど紹介したとおり、「サンふじ」は無袋栽培で作られたふじで、山形県で生まれました。

現在では、世界でもっとも多く栽培されており、りんごのなかでもとても有名な品種です。

サンふじは甘味と酸味のどちらも強めですが、絶妙なバランスでジューシーな味わいが魅力。

しっかりとした香りがあり、歯応えもシャキシャキとしているのが特徴です。

そのまま食べるのはもちろん、ジュースにして楽しむのもおすすめです。

10月下旬から12月上旬に山形県のサンふじが出回ります。

高徳(こうとく)

「高徳」は日本の伝統的な品種で、その特徴は多彩です。

果皮は鮮やかな赤色で光沢があり、果肉は甘みが強くジューシーで食べごたえがあります。

高徳は秋に収穫され、10月から11月が旬の時期です。

この時期に収穫された高徳は、格別な美味しさを味わえます。

また、食べるだけではなく、ジャムやパイなどにもよく使われています。

高徳の魅力はその風味と食感にあり、秋の季節には特におすすめの品種です。

シナノスイート

「シナノスイート」は、「ふじ」と「つがる」を交配させて生まれた品種です。
長野県が発祥ですが、山形県でも盛んに栽培されています。

果皮は淡い赤色で光沢があり、驚くほど甘くさわやかな酸味があります。

夏から秋にかけて収穫され、10月上旬から下旬が旬の時期です。

この期間に収穫されたシナノスイートは、その名のとおり甘くてさわやかな味わいを楽しめます。

また、シャキシャキとした食感も特徴で、生で食べるだけではなくサラダやデザートにも適しており、多彩な料理に使えます。

シナノゴールド

「シナノゴールド」は、日本のりんごのなかでも特に人気が高い品種です。

鮮やかな金色の果皮が特徴的。

パリッとした食感で果肉は甘みが強くしっとりとしています。

シナノゴールドは秋に収穫され、10月から11月にかけて旬の時期を迎えます。

この時期に収穫されたシナノゴールドは、その甘みと風味が最高潮に達し、贅沢な味わいを楽しめます。

また、生で食べるだけではなく、サラダやフルーツボウルにもぴったりです。

魅力的な見た目と濃厚な味わいから、多くの人に愛されている品種のひとつです。

秋陽(しゅうよう)

「秋陽」は、山形県オリジナルのりんごの品種です。

その名のとおり、秋の陽光に恵まれた時期に収穫されます。

果皮は濃い紅色で、光沢があるのが特徴です。

果肉は甘くジューシーで、食べると口のなかで広がる独特の風味があります。

秋陽は9月から10月にかけて旬を迎え、その時期に収穫されたものは濃厚で贅沢な味わいを楽しめます。

また、秋陽はジャムやパイの材料としても重宝されます。

爽やかな甘さと風味が、秋のデザートやスナックにぴったりの品種です。

つがる

日本の代表的なりんごの品種である「つがる」は、淡い赤からオレンジ色の果皮とクリーミーな白色の果肉が特徴で、甘みと酸味の絶妙なバランスが魅力です。

8月頃から収穫される早生品種で、9月中旬から10月中旬が旬の時期です。

生で食べるのが一番美味しく、シャキシャキとした食感と豊かな味わいを楽しめます。

また、ジュースやジャム、パイなど、さまざまな料理にも利用されています。

日本中で広く栽培され、そのジューシーさと軽い食感から多くの愛好家に支持されています。

昂林(こうりん)

中国のりんごの品種である「昴林」。

果皮は鮮やかな赤色で斑点模様があります。

果肉は甘みが強くしっとりとした食感を持ち、香りも豊かな点が魅力です。

昴林は秋に収穫され、9月から10月にかけてが旬の時期ですが、地域によってはさらに長い期間楽しめます。

生で食べるのが一般的で、甘みと風味の良さから秋のデザートとして楽しまれています。

また、ジャムやパイ、ジュースなど、多彩な料理にも使えます。

王林(おうりん)

「王林」も中国原産のりんごの品種で、一般的に青りんごと呼ばれます。

特徴的な外観と風味の良さが魅力です。

果肉は甘く爽やかな酸味を持ち、皮をむいていくと繊細な香りが広がります。

旬の時期は10月下旬から11月上旬ですが、より長く楽しめる地域もあります。

シャキシャキとした食感と甘さに特徴があり、果物を使ったサラダやフレッシュジュースにも適しています。

魅力的な風味と美しい外観から、多くの人に愛されています。

山形県のりんごの生産量は?

木箱に入ったりんご
農林水産省が公開している日本のりんご生産量ランキングでは、1位が青森県、2位が長野県、3位が岩手県となっており、山形県は続く4位という生産量を誇ります。

ランキングを見てもわかるように、上位には東北地方の地域が多く、生産量のシェアは79%を占めています。

また、東北地方で多く生産されているりんごの品種ランキングを確認すると、1位は「ふじ」、2位は「つがる」、3位は「王林」となっています。

ランキング上位の品種はすべて山形県でも栽培されていることから、山形県は四季折々のりんごが楽しめる産地といえるでしょう。

山形県でりんご以外に生産量が多い果物とは?

りんごの生産地として有名な山形県ですが、他の果物も多く栽培しています。

たとえば、「おうとう(さくらんぼ)」や「西洋なし」は、山形県が全国で1位の生産量です。

特に、おうとうは75.6%という高いシェア率を誇ります。

また「ぶとう」や「すもも」は全国で3位、「もも」は4位の生産量があります。

山形県はりんごだけではなく、さまざまな果物を楽しめる産地ともいえます。

山形県内のりんごの主要生産地を紹介

りんご狩りをするこどもの手
山形県のりんごは全国でも高い生産量があります。

では、山形県内のどこでりんごは生産されているのでしょうか。

また、生産地ごとの特徴はあるのでしょうか。

山形県内のりんごの主要生産地である4つの地域をご紹介します。

東根市

東根市は有名なさくらんぼ「佐藤錦」発祥の地であり、さくらんぼの生産量日本一の市ですが、りんごの生産量も多い地域です。

「つがる」「サンふじ」「秋陽」「王林」「紅玉」「シナノゴールド」など多くの品種が栽培され、地元農家の熱意と努力に支えられています。

秋にはりんご狩りを楽しむことができ、観光スポットも充実。

また、東根市は「果樹王国ひがしね」として、りんごやさくらんぼ以外にも、もも、ぶどう、ラ・フランスなど多くの果物が栽培されているのも魅力です。

天童市

天童市の気候条件もりんご栽培に最適です。

特に「つがる」や「王林」などの生産地として知られています。

天童市のりんごは、甘みと酸味の絶妙なバランスがあり、品質に定評があります。

秋には美味しいりんご狩りを楽しめるほか、地元の果樹園では新鮮なりんごを購入できます。

高品質なりんごと親しみやすい雰囲気が魅力の地域です。

朝日町

朝日町は、自然環境と厳しい寒冷気候でりんごの栽培に適している地域。

日本ではじめて「無袋ふじ」に取り組んだ町としても知られています。

生産される「寒冷りんご」は、糖度が高くて程よい酸味がある贅沢な味わいです。

主要な品種には「ほのか」や「ふじ」があり、美しい赤や黄色のりんごが広がります。

秋には収穫祭が開催され、りんご狩りや新鮮な果物の販売を楽しめます。

朝日町はりんごの生産において高い評価を受けており、訪れる人々に新鮮で美味しいりんごを提供する魅力的な場所です。

山形市

山形市は、豊かな自然環境と長い歴史を持つりんごの産地です。

多くのりんごの品種が栽培され、特に「つがる」や「王林」などが評価されています。

山形市のりんごは糖度が高く、豊かな風味とシャキシャキとした食感が魅力です。

山形市はりんご栽培の伝統と技術が結集された地域で、地元の農産物市場では新鮮な果物を購入できます。

訪れた際には、ぜひ地元のフルーツを味わってみてください。

山形県の旬のりんごの美味しい食べ方を紹介

星形にくり抜いたりんご
山形県のりんごについて詳しく見ていたら、旬のりんごを食べたくなってきた方も多いのではないでしょうか?

せっかく山形県の旬のりんごを食べるのであれば、より美味しくいただきたいところです。

最後に、旬の時期を迎えるりんごの美味しい食べ方をご紹介します。

皮つきで薄切りに

旬の時期のりんごを美味しく楽しむなら、皮つきで薄切りにして食べましょう。

薄切りにすることでりんごの甘みと酸味が口に広がり、食感もより楽しめます。

りんごを皮つきのまま切るメリットは、栄養価が高まることです。

りんごの皮には食物繊維やビタミン、抗酸化物質が豊富に含まれており、健康や美容に良い影響を与えます。

また、皮ごと食べることで、より自然な風味を感じられ、りんご本来の味わいを堪能できるでしょう。

簡単で健康的なスナックとして、旬のりんごの美味しさを堪能する方法です。

焼きりんごもおすすめ

焼きりんごも、旬の時期のりんごを美味しく楽しむ方法のひとつ。

特に、冬の寒い時期におすすめしたいりんごの食べ方です。

焼きりんごに使うりんごは、王林やつがるなど甘くてシャキシャキとした品種を選びましょう。

焼いたあともほんのりシャキシャキ感が残り、美味しくいただけます。

山形県の旬のりんごを食べてみよう!

りんごを乗せた手
生産量が全国1位を誇るさくらんぼの生産地として有名な山形県ですが、実はりんごの産地としても有名です。

また「無袋ふじ(サンふじ)」を誕生させた地域でもあります。

山形県は栽培される品種も多いため、四季折々の旬のりんごを楽しめるでしょう。

この記事でご紹介した美味しい食べ方を参考に、山形県の旬のりんごをぜひ味わってみてください。

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