りんごは普段から気軽に食べることの多い果物のひとつですが、冬のりんごは特に美味しいということをご存じでしょうか?
なぜならりんごは、冬に旬を迎える品種が多いためです。
しかし「冬が旬のりんごの品種がよくわからない」という方も多いのではないでしょうか?
本記事では冬に旬を迎えるりんごの品種や、冬の美味しい食べ方について紹介します。
冬場に美味しいりんごを味わいたい方は、ぜひ参考にしてください。
りんごの旬は冬なの?
りんごは少しずつ肌寒くなる10月から店頭に並び始めます。
そこから徐々に旬のピークを迎え、2月ごろにかけて美味しいりんごを楽しめます。正にりんごは冬が旬。獲れたてならではのフレッシュさを味わえるでしょう。
収穫量がもっとも多いのは10月ごろです。ただし、品種によって収穫時期が異なります。
果実の熟期に左右される部分が大きく、「極早生種」「早生種」「中生種」「晩生種」に収穫時期が分けられているのが特徴です。
それぞれの収穫時期、特徴、品種は下記の通りです。
種類名 | 収穫時期 | 特徴 | 品種 |
---|---|---|---|
極早生種 (ごくわせしゅ) |
8月上旬以降 | さわやかな酸味が特徴 | ブラムリー 夏緑 |
早生種 (わせしゅ) |
9月下旬から10月 | 硬めのシャキシャキ食感 | きおう つがる |
中生種 (なかてしゅ) |
9月下旬から10月 | 甘みと酸味のバランスが良い | シナノスイート
むつ |
晩生種 (おくてしゅ) |
11月上旬以降 | 甘みと香りが豊か | ふじ サンふじ シナノゴールド 王林 など |
りんごをもっとも美味しい状態で味わうなら、それぞれの旬の時期を理解しておくことがポイントとなります。
冬に美味しいりんごの品種を紹介!
冬に美味しいりんごの品種は複数あります。
広い範囲で栽培されているふじりんごを始め、サンふじやシナノゴールド、王林の他、幻のりんごとして希少価値の高い高徳について解説します。
10月以降の冬に旬を迎える美味しいりんごを中心に紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
ふじ
ふじりんごは東北地方や長野県などの広い範囲で収穫できる品種です。晩生種に該当するため、11月上旬以降に旬を迎えます。
果汁が豊富に含まれているのが特徴で、口に入れるとシャキシャキした食感を味わうことができます。
酸味と甘みのバランスも絶妙で、国産りんごの代表品種として親しまれています。皮が薄く、表面を軽く水洗いすれば皮ごと食べられるでしょう。
ふじが初めて生産されたのは「藤崎町」。
青森県津軽平野のほぼ中央に位置しています。
町の名前から「ふじ」と付けられた他、富士山のように日本一になれることの願いも込められています。
サンふじ
りんごの王様として味わいと食感で人気を集めているのがサンふじです。
サンふじは10月下旬ごろから収穫が始まります。
実は先述したふじと同じ品種で、栽培方法に違いがあるのが特徴です。
ふじは通常袋に包んだ状態で栽培されますが、サンふじは袋に入れずに栽培されます。
そもそもりんごは1つ1つ袋に入れて栽培されるのが一般的でしたが、1970年に山形県朝日町で全国に先がけて袋にいれない「無袋ふじ」の栽培に取り組みました。
無袋ふじである「サンふじ」は、糖度が2度ほどあがったうえに酸味も増し、甘みと香りが豊富なとても美味しいりんごとして人気が高い品種です。
シナノゴールド
シナノゴールドは主に長野県で収穫されるりんごです。皮は淡い黄色で、身の部分はやや硬め。シャリシャリした食感も特徴です。
一般的に黄色い皮のりんごは甘みの強い品種が多いですが、シナノゴールドは酸味のバランスも絶妙です。
そのまま生でも食べられますが、アップルパイやタルトなどの焼き菓子にも用いられています。
シナノゴールドは晩生種で11月初旬から収穫が始まり、春までの長い期間楽しめます。
日持ちがしやすく、貯蔵用にも最適です。
シナノゴールドは、黄色いりんごというインパクトの強さからヨーロッパでも栽培されています。
王林
王林は黄色系りんごの代表格で、「青りんごの女王」とも呼ばれています。味は酸味が弱く、甘みが強いという特徴があります。
数あるりんごの中でも甘さと香りでは群を抜いているとも評されており、その人気はふじをも凌ぐ勢いがあります。
王林は11月初旬以降に収穫が始まる晩生種です。
高徳
高徳は「幻のりんご」と言われている品種のひとつです。
甘い蜜がたっぷり詰まっているのが特徴で、1985年に品種登録されました。
しかし、収穫時期を迎えても小玉になる割合が高く、品質の不安定さから栽培者が減少する事態に。
そんな折に青森県の津軽石川農協が高徳の販路開拓と品質管理の徹底に尽力しました。結果として、「こみつ」というブランド名で、2007年に商標登録されるに至ったのです。
そんな高徳の収穫時期の目安は糖度16度。
出荷される状態になると14度まで落ち着くものの、りんごの中では抜群の糖度を誇ります。
実はきれいな黄色をしており、しっかりとした歯ごたえが特徴です。
酸味より甘みが強めで、口に含んだ瞬間りんごとは思えないほどの芳醇な香りが広がります。
美味しいりんごの選び方のポイント
りんごを購入するときには、特に何も考えずに適当に選んでしまう方も多いのではないでしょうか?
ここでは、美味しいりんごの選び方のポイントを紹介しますので、りんごを買うときにぜひ参考にしてください。
色とツヤを見る
まずはりんごの色とツヤをチェックしましょう。
色は品種によっても異なりますが、赤いりんごはしっかり色づいているのを選ぶのがポイントです。
色がはっきりしているりんごは、それだけ太陽の光を受けて育った証となります。
太陽の光を存分に受けたりんごは甘みも強いです。
もちろん上の方だけではなく、おしりの部分の色づき具合もチェックしましょう。
全体がくまなく色づいているものがおすすめです。
おしりの形を見る
りんごのおしりの形も重要なチェックポイントです。
美味しいりんごは、おしりの部分が深く窪んでいます。
窪みの度合いも左右どちらかに偏っているのではなく、左右対称のものがおすすめです。
反対におしりの窪みが浅いもの、形が変形しているりんごは避けた方が無難です。
重さを確認する
重さを確認するのも、美味しいりんごの見分け方のひとつです。
色やおしりの形が良くても中身がスカスカでは、せっかく選んだりんごが無駄になってしまいます。
美味しいりんごはずっしりと重く、水分をたくさん含んでいます。
そのため、見た目だけではなく、重量感も意識しながら美味しいりんごを選びましょう。
旬の美味しいりんごを食べるなら「山形のりんご」がおすすめ!
山形県は「さくらんぼ」の産地として有名ですが、実は2020年の収穫量では全国第4位と、有数のりんごの産地としても知られています。
山形県はりんごを育てるのに適した気候の条件がそろっており、さまざまな品種が栽培されていることでも知られています。
「ふじ」や「サンふじ」、また「つがる」や「王林」「シナノスイート」、山形県オリジナルの「秋陽(しゅうよう)」まで、幅広い品種が栽培されており、それぞれ個性的な味わいを持っています。
特に山形県朝日町が発祥のりんご「サンふじ」はあめ色の蜜がたっぷり入っており、その美味しさは全国でも評判となっています。
旬の時期には、ぜひ山形のサンふじを味わってみてください。
冬におすすめ!りんごの温かいレシピを紹介
冬のりんごはそのまま生で食べても美味しいですが、せっかくなら冬に楽しめる暖かいメニューも味わってみてはいかがでしょうか?
ここでは、冬に最適なりんごのホットメニューのレシピをご紹介します。
焼きりんご
まずはじめにご紹介するのは、自宅でも簡単に作れるフライパンで作る「焼きりんご」です。
焼きりんごの簡単レシピは以下の通りです。
- りんごは皮ごと横に1.5cm程度の輪切りにし、芯の部分をくりぬく。
- フライパンを中火にかけ、バターを入れる。りんごを加えたらふたをして、両面に焼き色がつくまで3分程度焼く。
- りんごがしんなりしてきたらふたを取って、砂糖をふって溶かす。
見た目のおしゃれさから難易度が高いと思われがちですが、フライパンで焼けばとても簡単に作れます。
温かい焼きりんごにアイスクリームを乗せて食べるのもおすすめですよ。
ホットアップルジンジャー
寒い日には、温かいホットアップルジンジャーを飲むのもおすすめです。
ホットアップルジンジャーのレシピは下記の通りです。
- りんごの皮をむいて種を取り除く
- りんごを細かくすりおろす
- すりおろしたりんごにレモン汁を加えて混ぜる
- 鍋にレモン汁を加えたりんごと、おろししょうが・水を加えて中火で熱する
- 沸騰したらはちみつを加えて混ぜる(はちみつは好みの量で)
- カップに入れて、お好みでシナモンパウダーをかけて完成
しょうがを加えているので、体もポカポカあたたまり、冬のティータイムにおすすめです。
りんごミルク
最後に、やさしい味わいが魅力の「りんごミルク」を紹介します。
りんごミルクのレシピは下記の通りです。
- りんごの皮をむくき、薄いいちょう形にカットする
- 鍋にりんごとみりんを加えて、弱火で3~4分煮る
- 牛乳で溶いた片栗粉を加える
- 中火にしてゴムベラでかき混ぜる
- とろみが付いたらお好みでシナモンパウダーを振って完成
りんごとみりんの程よい甘さが体に染みわたる、寒い日に飲みたい一品です。
冬に美味しいりんごを楽しもう!
りんごは冬が一番美味しい時期です。さまざまな品種がありますが、極早生種や早生種などの分類を知っておくことで、旬の時期が分かり美味しい状態のりんごを楽しめます。
ふじやサンふじ、シナノゴールド、王林などメジャーなりんごの他、希少価値の高い高徳もおすすめです。
美味しいりんごは色やツヤ、おしりの形、重さを確認することで分かります。
特に旬の時期は、りんごの産地の美味しいりんごを食べるのがおすすめ!
山形県ではサンふじなど冬に美味しいりんごの品種がたくさん収穫されるため、ぜひ一度旬の時期に山形のりんごを味わってみてください。