豊富な栄養素を含むりんごを使った「りんごダイエット」。
ダイエットに注目する女性であれば、一度は耳にしたことがあるでしょう。
しかし、「本当にりんごを食べるだけでダイエットになるの?」「どうやって始めればよいのかわからない」……そんな疑問や不安を持つ方もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、りんごダイエットの効果や具体的な方法、注意点などを解説します。
りんごダイエットを継続させるためのコツも紹介するので、ダイエット中の方やこれからダイエットを始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも「りんごダイエット」とは?
りんごダイエットとは、間食や朝昼晩の食事をりんごに置き換えて、健康的な体づくりや体重減少を目指す方法です。
また、置き換えではなく、一定期間りんごだけを食べ続ける方法もあります。
りんごは、ペクチンと呼ばれる食物繊維を豊富に含んでいる低GI食品のひとつです。
ペクチンには整腸作用があるほか、糖質や脂質が吸収される速度をゆるやかにする効果があります。
また、りんごには体内の余分な塩分を排出する「カリウム」も多く含まれているため、むくみの改善や高血圧の予防にも効果的です。
豊富な栄養素が含まれているだけではなく、食べごたえがあって満腹感も満たしてくれるりんごは、ダイエットにぴったりの果物といえるでしょう。
りんごのカロリーは低いの?
りんごはダイエットにおすすめの果物ですが、どれくらいのカロリーがあるのか気になる方も多いでしょう。
下記の表に、りんごとほかの果物の、100gあたりのカロリーと糖質をまとめました。
果物 | 100gあたりのカロリー | 100gあたりの糖質 |
---|---|---|
りんご(皮つき) | 56kcal | 14.3g |
バナナ | 93kcal | 21.4g |
みかん | 49kcal | 11.1g |
グリーンキウイ | 51kcal | 13.5g |
表からもわかるように、りんごのカロリーはみかんやグリーンキウイとほぼ変わらず、果物のなかでは特別カロリーが低いわけではありません。
しかし、主食となる白米や食パン、パスタと比較してみると、りんご1個のカロリーはかなり低めです。
食品名 | カロリー |
---|---|
りんご1個(250g) | 140kcal |
白米(茶碗1杯150g) | 236kcal |
食パン(5枚切り80g) | 248kcal |
乾燥パスタ(100g) | 347kcal |
つまり、主食を白米や食パンをりんご1個に置き換えるだけで、100kcalほど抑えられます。
りんごがダイエットに向いているといわれる理由
前述のとおり、果物のなかで見ると、りんごのカロリーと糖質は平均的といえます。
しかし、りんごには、さまざまなダイエット効果が期待できます。
ここでは、りんごがダイエットに適した果物といわれる理由を5つ紹介します。
脂肪の蓄積を予防するため
りんごには食物繊維やビタミンC、ポリフェノール、カリウムなどの栄養素がバランスよく含まれており、脂肪の蓄積を予防する効果があります。
なかでも、りんごの皮に多く含まれているポリフェノール「プロシアニジン」には、色素沈着の元となるメラニンの生成を抑える作用や、活性酸素から細胞を守る抗酸化作用があります。
そのため、りんごを食べるときには、皮をむかずにそのまま食べると、より多くの栄養素を補うことが可能です。
腸内環境が整うため
りんごは腸内環境を整えて老廃物をスムーズに排出してくれるため、便秘や下痢などお腹の調子が悪いときにもおすすめです。
食物繊維には、水に溶ける「水溶性」と、水に溶けない「不溶性」の2種類がありますが、りんごには両方とも含まれています。
水溶性の食物繊維は、腸の中の水に溶けることで便をやわらかくするのが特徴です。
一方で不溶性の食物繊維には、大腸の水分を吸収して便の量を増やしたり、便の排出を促す効果があります。
さらに、食物繊維にはビフィズス菌などの善玉菌のエサとなり、悪玉菌を減らしてくれる効果もあります。
体の中の善玉菌が増えることで、腸内環境のバランスが整い、太りにくい体質に近づけるでしょう。
むくみ改善効果が期待できるため
りんごに含まれるカリウムは、むくみ改善にも効果的です。
また、高血圧の主な要因とされる塩分(ナトリウム)をスムーズに排出する作用があるため、血圧を正常な状態に保つ効果も期待できます。
塩分を摂りすぎたり、水やお酒を飲みすぎたりして「顔や手足のむくみが気になる」という方は、運動などで体の血行を良くするとともに、塩分排出に効果的なりんごを食べて体内の水分量のバランスを整えましょう。
低GI食品のため
りんごは、脂肪が蓄積されにくいとされる低GI食品です。
GI値は血糖値の上昇度を表す指数であり、GI値が低いほど急激な血糖値の上昇を抑えることができます。
大きく「低GI」「中GI」「高GI」の3つに分類され、低GI食品に当てはまるのはGI値が55以下の食品です。
- 低GI値 55以下
- 中GI値 56~69
- 高GI値 70以上
りんごのGI値は37のため低GI食品に分類され、パイナップル(GI値65)やバナナ(GI値51)などほかの果物よりもとりわけ低い数値です。
毎日の食事にりんごを取り入れることで、豊富な栄養素を摂取できるだけではなく、血糖値のコントロールもできるため、ダイエットの効率アップが期待できます。
食べごたえがあるため
シャキシャキとした食感が特徴のりんごは、食べごたえがあり、ダイエット中の空腹感を満たしてくれます。
また、たくさん噛むことで満腹感を得られるため、食前にりんごを食べれば食べ過ぎ予防にもつながるでしょう。
満腹感があるからといって、りんごだけを食べ続けるのはあまりおすすめできませんが、豊富な栄養素を含むりんごをうまく食事に取り入れることで、美しい体づくりを目指せます。
おすすめのりんごダイエットの方法を紹介
りんごが豊富な栄養素を含み、ダイエットに効果的であることはわかっても、「りんごダイエットって実際にどうやるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
りんごダイエットといっても、りんごをただ食べればよいわけではなく、食べるタイミングや食べ方にコツがあります。
ここでは、おすすめのりんごダイエットの方法を紹介するので、「りんごダイエットに挑戦してみたい!」という方はぜひ参考にしてください。
置き換えダイエットがおすすめ
りんごダイエットは、ずっとりんごだけを食べ続けるのではなく、朝昼晩の食事や間食の一部をりんごに置き換えて1日のトータルカロリーを抑える「置き換えダイエット」がおすすめです。
朝食のパンやおにぎり、間食のケーキやスナック菓子などの代わりに、りんご1個を食べましょう。
朝昼晩の食事や間食のうち、どれか1食をりんごに置き換えれば、1日あたり約100~200kcalものカロリーを抑えられます。
ただし、早く痩せたいからといって、3食ともりんごに置き換えることは避けてください。
栄養バランスが偏り、逆効果となってしまうおそれがあります。
特に、りんごダイエットに初めて挑戦する方は、まず1食置き換えから始めて無理のないダイエットを続けていきましょう。
できれば皮ごと食べる
りんごは皮をむいてから食べる方も多く見られますが、りんごダイエットでは皮ごと食べることをおすすめします。
りんごの皮には、腸内環境を整えるペクチンや、抗酸化作用を持つポリフェノールが多く含まれているためです。
また、皮をむかずにそのままりんごを食べることで、皮をむく手間やゴミも減らせます。
ただし、皮の表面についている汚れを綺麗に洗い流してから食べるようにしましょう。
低脂質で高たんぱくな食材とあわせよう
りんごには、食物繊維やビタミンC、ポリフェノール、カリウムが多く含まれていますが、筋肉を作るのに欠かせない「たんぱく質」や、体の重要なエネルギー源となる「脂質」はあまり含まれていません。
そのため、りんごを食事に取り入れるときには、低脂肪で高たんぱくな食材とあわせるのがおすすめです。
低脂肪で高たんぱくな食材には、鶏ささみや鶏むね肉、チーズ、ヨーグルト、卵、大豆製品などがあります。
栄養バランスが偏ったダイエットになってしまうと、基礎代謝や筋肉量の低下につながり、逆に痩せにくい体質になってしまうため注意してください。
りんごダイエットを行う際は、できるだけほかの食材で栄養素を補い、体調と相談しながらリバウンドしない体づくりを目指しましょう。
りんごダイエットの注意点とは?
りんごダイエットにはメリットも多いですが、いくつか注意点もあります。
ここでは、りんごダイエットをする前に知っておきたい注意点をいくつか紹介します。
りんごだけのダイエットはおすすめできない
りんごダイエットには、置き換えダイエットのほかに、一定期間りんごのみを食べるというストイックな方法もあります。
しかし、ほかの食事をとらずにりんごしか食べないダイエットはあまりおすすめできません。
1日のトータル摂取カロリーを大幅に抑えられるメリットはありますが、栄養素が偏ってしまい、健康に悪影響を与える危険性があります。
また、食事制限によるストレスが大きく、リバウンドにもつながりやすい方法です。
短期集中ダイエットとして、りんごのみを食べる場合は、長くても3日程度にとどめておきましょう。
ダイエットは、自分の体調と相談しながら、無理のない範囲で続けていくことが大切です。
大量に食べるとお腹がゆるくなることがある
りんごを一度に大量に食べると、お腹がゆるくなることがあるため注意してください。
りんごには食物繊維の一種である「ペクチン」や、糖質の一種である「ソルビトール」という成分が含まれており、お腹をゆるめる作用があります。
便秘には効果を発揮するものの、食べ過ぎることで消化不良を招いてしまい、腹痛や下痢に見舞われてしまうおそれもあります。
また、急に食物繊維の摂取量が増加することで、排便リズムが崩れてしまう可能性もあるでしょう。
りんごダイエットでお腹の調子が悪くなった場合は無理に続けず、摂取量や食事のバランスを整えながら、1日の食事に上手にりんごを取り入れていきましょう。
りんごダイエットを続けるためのコツ
りんごダイエットを続けるためには、飽きないような工夫も大切です。
たとえば、「バリエーションを増やす」「ほかの食材とあわせる」「温めて食べてみる」などの方法を取り入れてみてください。
バリエーションを増やしたいときは、焼きりんごやすりおろしりんごにしたり、ほかの果物や野菜と一緒にスムージーにしたりするのがおすすめです。
特にスムージーは、栄養をしっかりと補えるため、忙しい朝にもぴったりです。
また、りんごをサラダにして食べたり、ヨーグルトに混ぜて食べたりなど、ほかの食材とあわせて食べることで、いつもとは違うおいしさを味わえます。
寒い冬の時期に冷たい果物を食べることに抵抗がある方は、思い切って温めてみてもよいでしょう。
レンジで加熱して、ホットりんごジュースにすることも可能です。
りんごを温めて食べることで、食物繊維やカリウム、ビタミンCなどの栄養素をさらに効率よく摂取できます。
りんごの置き換えダイエットで無理なく続けよう!
豊富な栄養素を含むりんごは、ダイエットに効果的な果物です。
さらに、腸内環境を整えたり、脂肪の蓄積を予防したりなど、さまざまなメリットもあります。
しかし、りんごのみを食べ続けるなど、食べ方によっては体調に悪影響を及ぼしてしまうおそれがあります。
これからりんごダイエットをスタートする方は、ぜひ1日1回の置き換えダイエットから試してみてください。
体調や栄養バランスを考えて、無理なく楽しみながらりんごダイエットを続けていきましょう!