二日酔いに効くツボ9選!ツボ押し以外の二日酔い対策も紹介

日本酒と健康

「お酒をつい飲みすぎて、頭痛や吐き気がつらい……」

そんな二日酔いの症状があるときに試してほしいのが「ツボ押し」です。

私たちの体には300個以上ものツボがあり、二日酔いに効くとされるツボも数多く存在します。

今回は、二日酔いの症状をやわらげる効果が期待できるツボや、正しい押し方をご紹介します。ツボ押し以外の対策についてもまとめましたので、二日酔いの改善や予防に役立ててください。

二日酔いはなぜ起こる?

二日酔いはなぜ起こる?
二日酔いが生じる原因は、お酒の飲みすぎです。しかし、頭痛や吐き気などのつらい症状がなぜ起こるのかは、いまだ解明されていません。

二日酔いが起こる要因として考えられているものは以下のとおりです。

  • 軽度の離脱症状
  • ホルモン異常による脱水やそれにともなう低血糖症状
  • 電解質(ナトリウム、カリウム、クロールなど)のバランスの崩れによる異常
  • アセトアルデヒド(肝臓でアルコールが分解されるときに発生する毒性物質)の蓄積
  • お酒に含まれるメタノールや不純物 など

しかし、どれかひとつが原因ではなく、いくつかの要因が複雑に絡み合って二日酔いが起こる説が有力とされています。

二日酔いの症状を抑えるツボ9選!

二日酔いの症状を抑えるツボ9選!
それでは、体にずっしりと重くのしかかる二日酔いの改善に効果が期待できる、9つのツボを紹介していきます。

「本当にツボを刺激するだけで二日酔いがなくなるの?」と疑いを持つ方もなかにはいるでしょう。

ツボ押しは、東洋医学の「気」の考え方がベースとなっており、指圧や鍼灸などのツボを刺激する治療法は、科学的にも有効性が認められつつあります。

また、ツボを刺激することで、体の不調が改善した事例も多く報告されています。正しい方法で行えば、二日酔いの症状が改善する可能性は十分にあるでしょう。

ツボの場所によって期待できる効果は異なるため、症状に合わせて実践してみてください。

太衝(たいしょう)

太衝は、足の親指と人差し指の付け根の間にあるツボです。足の甲で二つの指の筋が交わるところの少し前のくぼんだ場所にあり、二日酔いの症状がなくても押すと強い痛みを感じることがあります。

太衝は、主に肝臓の働きを高めてアルコールの分解をサポートしてくれるため、二日酔い対策に有効です。

足の親指と人差し指の根元を、グッと親指で押しましょう。片足ずつ5回を1セットとして、3セット行ってください。

築賓(ちくひん)

築賓は、足のアキレス腱の前縁を上にたどり、ふくらはぎの筋肉とぶつかった場所にあるツボです。

太衝と同様に、刺激することで肝臓の機能を高め、二日酔いの症状をやわらげる効果が期待できます。また、体のだるさや冷え性の改善にも有効とされており、体調の維持に役立つツボです。

押し方は、足のアキレス腱をゆっくりとふくらはぎに向かって指でなぞり、止まったところを親指で押します。片足ずつ5回1セットを、3セット行いましょう。

率谷(そっこく)

率谷は、耳の裏のちょうどこめかみの上にあります。耳を餃子のような形にして、上端から人差し指1本半分上にある、押すと重く強い痛みを感じる部分です。

頭痛や耳鳴り、食欲不振、肩こり、ホルモンバランスの乱れなどの改善に効果的なツボです。率谷だけではなく、その周辺も同時にほぐすことで、血流が促されて頭全体がスッキリするでしょう。

両手の親指で、耳の上端から人差し指1本半分の部分をグッと押さえて5秒間キープします。これを3セット行ってください。

合谷(ごうこく)

合谷は、手の甲側の親指と人差し指の骨が交わる、くぼみ部分にあるツボです。「万能のツボ」と呼ばれており、二日酔いの改善はもちろん、頭痛、腹痛、下痢、便秘など幅広い症状に効果が期待できます。

合谷に反対の手の親指をあて、人差し指方向に持ち上げるように押すと、少しツンとした痛みを感じるでしょう。その部分を10秒間押したままキープし、3秒ほど離したらまた10秒間押すことを3~5回繰り返してください。

手三里(てさんり)

手三里は、肘を曲げたときにできるしわに人差し指を置き、そこから指三本分手のひらの方向、つまり薬指があたっている場所にあるツボです。このツボは、ほとんどの方が押すと痛みを感じます。

手三里を刺激すると、大腸の働きが活性化し、お腹の張りや下痢などを改善する効果があると言われています。また、ストレス軽減にも効果が期待できるでしょう。

押し方は、反対の手の親指をあて、手三里の場所を5秒間押したままキープします。これを5~10回繰り返しましょう。

百会(ひゃくえ)

百会は、両耳の先端ラインをたどった頭のてっぺん(頭頂部)にあるツボです。百の(数多くの)ツボの道が会う(交わる)という意味があり、全身の不調に対して有効とされています。

自律神経の乱れを整えるほか、全身の血行を促進して目の疲れや頭痛、めまい、不眠、肩こりなどを緩和する効果が期待できるでしょう。

両手の中指の腹の部分で、まっすぐ体の芯へ抜けるように、軽くさする程度の強さで押します。一回押すのに3~5秒間かけ、ゆっくり押してゆっくり離すという動作を5回繰り返しましょう。

内関(ないかん)

内関は、手のひら側の手首のしわから指3本分ほど肘側にあります。手のひらを上に向け、こぶしを握ると出てくる2本の筋の間にあるツボです。

内関を刺激することで、胃の不快感や痛みをやわらげると同時に、精神をリラックスさせたり、不眠や不安感、イライラなどの症状を抑えたりする効果があるといわれています。

肘側から筋の間に、反対側の手の親指で押し込むようにして痛くない程度の強さで押します。5秒かけてゆっくり押し、3秒キープしてゆっくり離す動作を5回繰り返しましょう。

期門(きもん)

期門は、両乳首の真下にある肋骨の境目(第6肋間と第7肋間の間)にあるツボです。胃がもたれて張っているときや、わき腹が張ったような感覚があるときに刺激すると、吐き気や腹痛などの症状を抑える効果があるといわれています。

両手の付け根で期門を押しもむようにすると効果的です。ただし、押したときに少し不快感を覚えることがあるため、力を入れすぎないように注意してください。

人差し指から小指までの4本の指の腹を使って、息を吐きながらマッサージをするように押し込みます。2~3秒の刺激を5回繰り返しましょう。

巨闕(こけつ)

巨闕は、体の中心線上の、みぞおちのある骨(剣状突起)から指2~3本分下にあるツボです。巨闕を刺激すると、胸やけや吐き気、食思不振といった胃の不調を改善する効果があるといわれています。

仰向けに寝て両ひざを立て、呼吸に合わせて息を吐き出しながら、両手の人差し指、中指、薬指の3本を立てて10秒ほどゆっくりと押していきます。胃のあたりの不快感がやわらいでくるまで、数回繰り返しましょう。

ツボ以外に効果的な二日酔い解消法

ツボ以外に効果的な二日酔い解消法
二日酔いに効くツボを紹介してきましたが、ツボ押し以外にも二日酔いの改善につながる方法はあります。

ここでは、二日酔いのときにおすすめの飲み物や食べ物を紹介します。コンビニやスーパーですぐに購入できるものばかりのため、ぜひ試してみてください。

スポーツドリンクを飲む

二日酔いが起こる原因のひとつに脱水症状があります。アルコールには利尿作用があるため、飲めば飲むほど水分を得られるのではなく、どんどん水分は体内から失われていきます。

スポーツドリンクを飲むことで、失われた水分を素早く補給でき、二日酔いの改善につながるでしょう。「水分を補給するなら、水でもよいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、水とスポーツドリンクでは成分が異なります。

スポーツドリンクには水分、糖分、塩分がバランスよく含まれており、人間の体液に近い濃度、浸透圧のため、体内に素早く吸収されます。また、水と比べて水分保持率が高く、吸収した水分を体外に逃しません。

さらに、糖分の摂取により、飲酒後の低血糖症にともなう頭痛やだるさなどの改善にも効果的です。

二日酔いに効果的な食べ物を摂取する

二日酔いで吐き気やだるさがあると、食べること自体がつらいと感じやすいですが、早く回復するためには空腹のままではなく、しっかりと食べることが重要です。二日酔いに効果的な食べ物をご紹介します。

①フルーツ

フルーツに含まれる果糖(フルクトース)には、アセトアルデヒドの分解を促す作用があると言われています。また、ビタミンCが豊富に含まれているフルーツを食べると、頭痛や体のだるさを緩和する効果が期待できます。
特に、グレープフルーツやキウイ、いちご、柿などがおすすめです。さらに、肝臓でアルコールが分解されるときには、ビタミンC以外にも多くの糖質が失われるため、糖分の多いフルーツを積極的にとりましょう。

②サラダ(野菜類)

ビタミンB1やビタミンC、ミネラルが豊富な野菜を摂取することも効果的です。アルコールの分解を助けるとともに、脱水症状を改善する効果が見込めます。

キャベツやほうれん草、ブロッコリー、えだまめなど、さまざまな食材を取り入れたサラダがよいでしょう。ただし、生野菜は体を冷やすおそれがあるため、できるだけ加熱調理したものがおすすめです。

③味噌汁

味噌汁は、水分と塩分を同時に摂取できるため、脱水症状の改善に最適です。具材は、肝機能を高めるオルニチンを多く含むしじみがおすすめです。また、ビタミンB1が豊富な豚肉や、野菜がたっぷりと入った豚汁も二日酔いの改善につながります。

④納豆・豆腐

大豆製品には、肝臓の働きを助けるアミノ酸とビタミンB1が豊富に含まれています。なかでも納豆と豆腐は胃に負担がかかりにくいため、二日酔いで食欲がないときでも食べやすいでしょう。

トマトジュースやオレンジジュースを飲む

トマトをそのまま食べるのが苦手な方や、食欲がないときはトマトジュースがおすすめです。

アサヒグループとカゴメ(株)の共同研究によると、トマトジュースとアルコールを同時に摂取すると、血中アルコール濃度が30%減少し、体内からのアルコール消失も早まることが分かりました。二日酔いの改善はもちろん、お酒と同時に飲むことで、翌朝の二日酔いを予防する効果も期待できるでしょう。

トマトに含まれるリコピン、クエン酸、ビタミンCなどの成分は、二日酔いの改善に効果的です。
リコピンは、体内で処理しきれなかったアセトアルデヒドが活性酸素を作り、肝臓などの細胞にダメージを与えることを防ぎます。

また、オレンジジュースには水分と糖分(果糖)が含まれているため、脱水症状や低血糖を同時に改善するのに役立ちます。アルコールの分解作用があるビタミンCをしっかりと摂取するためにも、果汁100%のものがおすすめです。

甘みと酸味があり、さっぱりとした味わいのオレンジジュースは、二日酔いで気分がすぐれないときでも飲みやすいでしょう。

カフェインを摂取する

コーヒーに含まれるカフェインには、脳の血管を収縮させ、頭痛などの二日酔い症状をやわらげる効果があります。しかし、二日酔いのときは胃が荒れている可能性があるため、ブラックではなくミルクを入れて飲むことで胃への負担を軽減できます。

コーヒー以外に、紅茶、緑茶、ほうじ茶、エナジードリンクなどにもカフェインは含まれています。ただし、カフェインの過剰摂取には注意しなければなりません。カフェインを過剰に摂取すると、めまいや動悸、ふるえ、下痢、吐き気などの症状が現れる危険性があります。

また、カフェインには利尿作用があるので、二日酔いで脱水症状がでているときにはおすすめできません。

コーヒーなどを飲む前に、水分やスポーツドリンクなどでしっかりと水分を補給しておきましょう。

効果的なツボを知って二日酔い対策をしよう

効果的なツボを知って二日酔い対策をしよう
この記事では、二日酔いの改善に効果が期待できるツボや、ツボ押し以外の対策法について解説しました。

すべてのツボ押しや対策法を、一度に取り入れる必要はありません。体調や症状に合わせて、自分に合う方法を見つけましょう。また、そもそも二日酔いにならないよう、お酒の量や飲み方を工夫することも大切です。

二日酔いだけではなく、健康維持や美容のサポートにも役立つツボ押しを、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。

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