仲間とお酒を飲んでいるとつい飲みすぎてしまい、頭痛や吐き気といった二日酔いの症状に悩まされた経験がある方も多いのではないでしょうか?
つらい二日酔いは、実は対策をしておくことで予防できる可能性があります。
この記事では、「お酒を飲む前」「お酒を飲んでいる間」「お酒を飲んだあと」それぞれのタイミングで二日酔いを予防する方法や、二日酔いになってしまったときの対処法をご紹介します。
二日酔いに悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。
二日酔いが起こる原因とは?
二日酔いの原因は「お酒の飲みすぎ」であることは間違いありません。
しかし二日酔い特有の頭痛や脱水、吐き気、疲労感、脱力感、睡眠障害、胃腸の不快感などの症状がでるメカニズムは、いまだ不明点が多いとされています。
二日酔いの症状が出る主な原因として有力とされているのが、下記のような要因です。
- アセトアルデヒドの蓄積
- 軽度の離脱症状
- ホルモン異常や脱水、低血糖
- 睡眠や生体リズムの障害
- 胃腸障害 など
上記の中で特に有力な説が、アセトアルデヒドの蓄積です。アセトアルデヒドとは、アルコールを肝臓で分解したときに生じる物質で、動悸や吐き気、頭痛、眠気などを引き起こす原因となります。
通常、アセトアルデヒドは肝臓で無害な酢酸(さくさん)へと解毒されますが、お酒を飲みすぎると分解が追いつかず、体内に残ってしまいます。
ただし、アセトアルデヒドだけが原因ではなく、その他のさまざまな要因が組み合わさって「二日酔い」の症状が出るとされています。
二日酔いを予防するポイント【お酒を飲む前】
飲むことが事前にわかっているのであれば、お酒を飲む前に二日酔い対策をすることかできます。
まずは、お酒を飲む前にできる二日酔い対策を紹介します。
当日の体調を把握しておく
お酒は、その日の体調に合わせた分量を飲むことで二日酔いを予防できます。
お酒を飲んでから肝臓がアルコールを分解するまでには、4〜5時間ほどかかるのが一般的です。また、アルコールの分解速度は体調によって変化します。
睡眠不足だったり、疲労がたまっていたりすると、肝臓の機能が通常どおりに働きません。アルコールの分解に時間がかかるため、いつもと同じ分量のお酒でも二日酔いになりやすくなります。
そのため、当日の体調を把握し、体調がよくない日にはお酒の量を減らすか、飲酒そのものを控えましょう。
軽食をとっておく
胃の中に何もない状態でお酒を飲むことは控えましょう。事前に軽食をとっておくと、二日酔いの予防につながります。
空腹時にお酒を飲むと、アルコールの刺激により胃腸の粘膜が荒れてしまいます。また、アルコールが吸収されやすく、急激に血液中のアルコール濃度が上がってすぐに酔うだけではなく、胃腸障害が起こりやすくなるため注意が必要です。
事前に食べ物を口にしておくと、アルコールによる胃粘膜への刺激が緩和されます。また、胃に消化する食べ物があれば胃が活動して胃と腸の間の弁膜が閉じるため、アルコールの吸収速度を遅らせることが可能です。
さらに、食べ物や飲み物の水分は、胃の中のアルコール濃度を下げることにも役立ちます。
栄養ドリンクを飲んでおく
お酒を飲む前に、肝臓の機能を高める栄養ドリンクを飲んでおくことも効果的です。
二日酔いに有効な成分とされているクルクミンやオルニチン配合の栄養ドリンクは、コンビニでも手軽に購入できます。
ウコンに含まれるクルクミンには、肝臓の働きを改善させたり、アセトアルデヒドの分解を促したりする効果があります。また、しじみに含まれるオルニチンは、アルコール分解を促進するアラニンの働きを活性化させる成分です。
十分な睡眠をとっておく
お酒を飲む前日には、体調が万全になるように十分な睡眠をとっておきましょう。
睡眠不足のときや疲労がたまっているときは、肝臓の機能が通常よりも低下します。そのため、少量のお酒でも二日酔いになるおそれがあります。
十分な睡眠で体の疲れをとり、なるべく肝臓の機能が正常に働いている状態でお酒を飲みましょう。
二日酔いを予防するポイント【お酒を飲んでいる間】
お酒を飲む前の対策に加えて、お酒の飲み方を工夫することで、二日酔いを予防できる可能性もあります。ここでは、お酒を飲んでいる間の二日酔い予防法をご紹介します。
こまめに水を飲む
お酒を飲む際には、合間に水を飲むと二日酔いの予防につながります。
こまめに水を飲むことで、アルコールによる脱水症状を防げるほか、胃の中のアルコール濃度を下げて酔う速度を緩やかにしたり、飲みすぎを防いだりできます。
また、口の中をリフレッシュできるため、お酒や料理をよりおいしく味わえる点もメリットです。
お酒と一緒に飲む水を、日本酒では「和らぎ水(やわらぎみず)」、洋酒では「チェイサー」といいます。水は、お酒と同量か、それよりも多い量を飲むとよいでしょう。冷水は胃腸に負担がかかりやすいため、常温の水か白湯がおすすめです。
二日酔い予防になるおつまみを選ぶ
お酒を飲むときには、タンパク質とビタミンを豊富に含むおつまみを一緒に食べることをおすすめします。なぜなら、肝臓の働きを活発にさせてアルコールを分解するには、タンパク質とビタミン(特にビタミンB1)が必要であるからです。
特に豆腐や枝豆は、二日酔い予防におすすめのおつまみです。豆類はタンパク質が豊富であるほか、ビタミンB1も多く含みます。枝豆に含まれるメチオニンには、肝臓の働きを助けてくれる作用もあります。
また、食物繊維を摂取するとアルコールの吸収が穏やかになるため、サラダなどを食べることも二日酔い予防に効果的です。
ペースはゆっくり
お酒は、ゆっくりと飲むことで二日酔いの予防になります。
アルコールの分解には時間がかかるものです。はやいペースでお酒を飲むと、アルコールの分解が追いつかずに体内のアルコール濃度が上がるため、すぐに酔いが回ったり、悪酔いしたりしやすくなります。また、胃が刺激されて、胃腸障害を招くおそれもあるでしょう。
「おつまみなどを食べながら、自分にあった適量をゆっくり飲む」ことが、お酒とのよい付き合い方です。
二日酔いを予防するポイント【お酒を飲んだあと】
お酒を飲んだあとにも二日酔いを予防する方法があります。少しでも二日酔いの症状を軽くするために、実践してみましょう。
寝る前にたっぷり水分補給をする
お酒の合間だけではなく、飲んだあとも、しっかりと水分補給しましょう。水分補給には、スポーツドリンクを活用するのもおすすめです。
アルコールには利尿作用があり、お酒を飲んだ以上に尿として水分が失われ、脱水症状が起こりやすくなります。また、肝臓でアルコールを分解する際にも水分が必要となるため、余計に水分が不足します。
脱水状態では、アセトアルデヒドを尿として円滑に排出できません。そのため、二日酔いになる可能性が高くなります。
脱水状態を防ぎ、二日酔いの症状をできるだけ抑えるためにも、お酒を飲んだあとの水分補給は大切です。
少し酔いをさましてから寝る
お酒を飲むと眠くなる方は多いでしょう。しかし、お酒を飲んだあとすぐに寝るよりも、ある程度体内のアルコール分解が進んでから寝たほうが、二日酔いの防止につながります。
肝臓がアルコールを分解するには、一般的に4〜5時間ほどかかります。一方で、就寝時には肝臓の働きが鈍ってアルコールの分解速度は半分程度に落ち、アルコール分解にかかる時間は倍増します。
睡眠は、アルコール分解を大幅に遅らせてしまうため、お酒を飲んですぐに寝ると二日酔いになりかねません。また、肝臓に長時間負担がかかってしまいます。
さらに、アセトアルデヒドには睡眠の質を低下させる作用があり、浅い眠りが増えてしまうおそれもあります。飲酒後は数時間空け、なるべく酔いをさましてから寝るようにしましょう。
ビタミンCやビタミンBを摂る
お酒を飲んだあとは、ビタミンB群やビタミンC、ビタミンEを摂取しましょう。アセトアルデヒドの分解を促して、二日酔いを予防する効果が期待できます。
同時に、アルコール分解で失われるタンパク質やミネラルの補給も大切です。特に、ビタミンB1と亜鉛は、アルコール分解でたくさん失われます。
ビタミンやミネラルを多く含む野菜や果物、海藻を意識して摂ることがおすすめです。お酒を飲んだ帰りに、コンビニでサラダや果物などを購入して食べるとよいでしょう。
翌日に二日酔いになってしまったときの対処法
事前に対策をしていても、つい飲みすぎて二日酔いになってしまうときもあるでしょう。
二日酔いの症状は、基本的に時間の経過とともに改善します。しかし、できるだけ早く症状を改善するためにできる対処法を紹介していきますので、ぜひ試してみてください。
水やスポーツドリンクを飲む
まずは、スポーツドリンクなどを飲んで、アルコールの利尿作用によって失われた水分を補いましょう。水分を摂ることで、アセトアルデヒドを尿として排出しやすくなり、二日酔いの改善につながります。
スポーツドリンクであれば、水分・電解質・ミネラル・糖分などを一度に吸収することが可能です。
肝臓がアルコール分解に追われて糖代謝が滞ると、低血糖になって頭痛や倦怠感がでるおそれがあります。そのため、二日酔いのケアには糖分補給もできる飲料が適しています。
トマトジュースやオレンジジュースを飲む
トマトジュースやオレンジジュースを飲むと、二日酔いの症状が改善しやすくなります。
トマトに含まれるクエン酸はアルコール分解を活発にし、グルタチオンやリコピンはアセトアルデヒドの分解に役立つ成分です。GABAは、肝臓の機能向上に効果があるとされています。トマトをそのまま食べるよりも有用な成分を摂りやすいトマトジュースは、二日酔いの改善に適したアイテムです。
また、水分と糖分を同時に摂れるオレンジジュースを飲むこともよいでしょう。果糖(フルクトース)にはアルコールの分解を早める効果があるため、果汁100%のものがおすすめです。
頭痛や吐き気がひどいときは市販薬に頼る
頭痛や吐き気、胃腸の不快感などがつらいときは、症状を緩和する市販薬を服用しましょう。薬で二日酔いの症状を緩和させつつ、症状が改善するまで安静にして過ごします。
胸やけには胃薬、頭痛には鎮痛剤といった具合に、それぞれの症状に適した薬を服用してください。あまりに二日酔いの症状が強ければ、医療機関で点滴治療を受けましょう。
事前に対策をして二日酔いを防ごう
二日酔いにならないためには、「お酒の飲みすぎ」を避けることが大切です。アルコールの分解能力は人によって異なるため、自分にとって適量のお酒を楽しむようにしましょう。
また体調不良時や空腹時にお酒を飲むと、二日酔いになる可能性が高まります。
お酒は体調を整えた状態で、食事やおつまみを食べたり、水分補給をしたりしながら、ゆっくりとしたペースで飲みましょう。