さくらんぼは山形県が日本一!収穫時期や美味しい品種を紹介

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口にいれると弾けるような食感とともに、甘酸っぱい味わいが口いっぱいに広がる「さくらんぼ」は、見た目も可愛くて贈り物にもぴったりのフルーツです。

このさくらんぼの収穫量が日本国内で最も多いのは、フルーツ王国でも知られる山形県!実に国内の約7割のさくらんぼが、山形で栽培されています。

今回は、山形のさくらんぼが美味しい理由や山形で栽培されている品種、収穫時期をはじめ、美味しいさくらんぼの見分け方や保存方法についても解説します。

山形はさくらんぼの収穫量日本一!

山形県はぶどうやメロン、りんごや桃など、種類豊富なくだものが栽培され「フルーツ王国」としても知られていますが、中でもさくらんぼは、全国トップクラスの生産量を誇っています。

令和5年度の農林水産統計によると、都道府県別のさくらんぼ収穫量の割合は、1位の山形県が75%、2位の北海道は8%で、山形県が圧倒的に多く、この2県で国内の8割以上の生産量を占めています。

山形県がさくらんぼ収穫量日本一になるまでの歴史

さくらんぼが日本で栽培されるようになったのは、1868年頃にプロシア(ドイツ)人のガルトネルという人物が、北海道でさくらんぼをはじめさまざまな西洋果樹等を試植したことがはじまりだといわれています。

その後1875年には内務省から交付され、さくらんぼや洋なしなどの苗木が山形県庁の敷地に植栽されました。
同時期に北海道や東北にもさくらんぼが植栽されましたが、他の地域では梅雨や台風被害などにより栽培が失敗した中で、山形県だけが栽培実績をあげました。

山形県はその後もさくらんぼの栽培を続け、1956年にさくらんぼ収穫量は3,310tで全国の約62%となり、1983年には20,400tという史上最高の大豊作となり、全国の約85%となる収穫量を記録しました。

それからも山形県ではさくらんぼの栽培が続けられ、やがて日本一のさくらんぼの名産地として知られるようになりました。

山形のさくらんぼが美味しい理由とは?

ルビー色の見た目や栽培の難しさから「果実園の宝石」とも呼ばれているさくらんぼ。

山形県のさくらんぼが美味しいのには、下記のような理由があります。

季節の気温差が大きいことから、糖度が高くて果汁が詰まった実に育つ
梅雨の降水量が比較的少なくて収穫量が安定しやすい
高い山に囲まれた内陸地は、台風被害が少ない
大規模な霜害が少なくて収穫量が安定しやすい
生産者の惜しまぬ努力と丁寧な管理によるもの

山形県は冬の寒さが厳しく、夏の暑さも厳しいという特有の気候が、さくらんぼ栽培に適しているといわれています。

また「フルーツ栽培の天敵」とも呼ばれる霜害を発生させないように、生産者によって1年中丁寧に管理されています。

「山形県ならではの風土」と「生産者の惜しまぬ努力」が、国内トップの生産量と美味しさを保っている理由だといえるでしょう。

さくらんぼの収穫時期

山形県のサクランボは、その年の気候によって異なるものの、基本的に6月初旬から7月上旬までの約1ヶ月間に収穫されます。

1ヶ月間で収穫されるさくらんぼは「早生種」「中生種」「晩生種」の3つに分類され、糖度や粒の大きさ、硬さが収穫時期や品種によって異なります。

さくらんぼの収穫時期や、主な代表品種は以下のとおりです。

収穫時期 代表品種
早生種 6月上旬 紅さやか、紅ゆたか、小夏など
中生種 6月中旬〜下旬 佐藤錦、金印佐藤錦など
晩生種 7月上旬 紅秀峰、紅てまり、紅ゆたかなど

さくらんぼの実は、収穫時期が遅いほど実が大きくて硬くなるという特徴がありますが、糖度は品種によってさまざまです。

中でも、晩生種は大粒で、早生種や中生種よりも実が硬くて日持ちするため、お中元などの贈り物に向いています。

【品種別】山形のさくらんぼの収穫時期

日本国内では現在30種類以上のさくらんぼが栽培されており、収穫時期や品種によって硬さや味わいが異なります。

ここでは、山形で主に栽培されているさくらんぼの収穫時期や特徴を、品種ごとに紹介します。

品種 収穫時期 特徴
佐藤錦 6月中旬~下旬 山形県でも栽培面積の70%を占めている、さくらんぼの代表品種で中生種に分類。
粒の大きさは7g前後、他品種と比較すると収穫時期や日持ちが2~3日と短め。
鮮やかな紅色がルビーのように美しく、果肉がやわらかくて酸味と甘みのバランスに優れていることから、「さくらんぼの王様」とも呼ばれる人気の品種。
紅秀峰 7月上旬 大粒で食べ応えがある晩生種で、佐藤錦よりも甘みは強めで近年人気の高い品種。
収穫時期には真っ赤に色づき、1粒の大きさは10g前後と大きめで、大粒で見栄えがいいのはもちろん、果肉が硬めで日持ちがいいため贈り物にも適している。
山形県では佐藤錦に次いで栽培面積が広く、比較的手に入りやすい。
紅さやか 6月上旬 小ぶりな品種が多い早生種の中でも粒が大きく、熟すと果肉が濃くなる。
1粒の大きさは5~7gほど、佐藤錦と比較すると酸味は少し強いが、甘みと酸味のバランスが良く、熟して糖度が高くなると、果皮が濃く色づいてくる。
デザートやサラダのトッピングとしてそのまま食べるだけでなく、色味がキレイなのでジャムやお菓子作りにもおすすめ。
高砂 6月初旬~中旬 高砂という名前から日本生まれのイメージがあるものの、原産国はアメリカ。明治時代にアメリカから輸入され、日本人が呼びやすいように「高砂」という名称がつけられた。
早生種らしく1粒の大きさは5~6g前後と小ぶりで、実はハート形をしている。グラデーションのかかった果皮の色やおめでたい名前や見た目の可愛さから、ギフトとしても喜ばれる。
紅てまり 7月上旬~中旬 2000年に品種登録された新しい極晩生種で、比較的遅い時期に収穫される。
粒は10g以上と大きく糖度は高めで、甘さと酸味のバランスが良い。硬めの果肉とジューシーさが特徴。
生産量日本一を誇る山形県の中でも収穫量は少なく、希少価値の高い品種。
ナポレオン 6月下旬~7月中旬 ヨーロッパで栽培されてきた晩生種で、佐藤錦や南陽の親にあたる。
やや縦長のハート型をした果肉は7gほどの大きさで、酸味が少し強く、甘みとのバランスに優れている。昔からのファンも多い人気の品種。
生食だけでなく、酸味が強いことから缶詰やお菓子作りにもよく利用される。
やまがた紅王 6月下旬~7月上旬 2020年に品種登録された一番新しい期待の早生種。
1粒のサイズは10gと紅秀峰よりも一回り大きく、3L~4Lサイズが中心。
糖度は高めで果肉は硬く、食べ応えのある品種として人気が高い。日持ちも良く、贈答にもおすすめ。
栽培され始めたばかりで収穫量は少ないものの、将来的に「佐藤錦」や「紅秀峰」と並んで山形を代表する品種になる可能性を持つ期待の新品種。

取り寄せたさくらんぼの保存方法

さくらんぼは劣化しやすいため、収穫して2~3日の間に食べるのがベストです。
しかし、お取り寄せや贈り物でいただいたものとなると、なかなか管理は難しいでしょう。

そこで、家庭で保存するときは次の点に注意して保存するのがおすすめです。

水洗いせずに新聞紙やキッチンペーパーに包む
常温便で届いた場合は「冷暗所」、クール便の場合は「冷蔵庫」で保存
冷蔵庫での保存なら、冷えすぎない野菜室がベスト

さくらんぼは温度変化や乾燥に弱いため、上記の方法で保存しても3日以上の保存は難しいので、その場合は冷凍してみましょう。

軽く水洗いをしてしっかり水気を切り、密封容器に入れて冷凍庫で保存すれば、1ヶ月ほど美味しく保存できます。

美味しいさくらんぼの見分け方!

さくらんぼが最も美味しいのは、収穫してすぐのタイミングです。時間が経つごとに少しずつ味わいや色、実のハリが劣化してしまいます。

さくらんぼ本来の美味しさを楽しむためにも、よく見極めることが大切です。
そこで、さくらんぼを選ぶ時は次の3つのポイントをチェックしましょう。

粒が大きくハリがある
ツヤがあって濃い色
軸が太く緑色

粒が大きくハリがあるもの

新鮮で美味しいさくらんぼを見極めるときは、粒が大きくてハリがあるものを選びましょう。

山形県のさくらんぼは「山形県青物等標準出荷規格」という公定基準にしたがって分類され、サイズはM~4Lサイズと豊富です。これは重さではなく果実の直径で分類されます。

サイズ 果実の直径
4L 31mm以上
3L 28mm以上
LL(2L) 25mm以上
L 21mm以上
M 19mm以上

一般的に、サイズが大きい方が糖度は高い傾向にあるため、「甘いさくらんぼが食べたい」という場合は、大きめサイズを選ぶとよいでしょう。

ツヤがあって濃い色のもの

美味しいさくらんぼを見分けるときには、ツヤがあって濃い色のものを選びましょう。

さくらんぼは、果皮全体の色が濃いほど甘く上質です。新鮮で果汁たっぷりのさくらんぼは、プルンとした美しいツヤやハリが見られます。

品種によって色が濃いと熟れすぎて実がやわらかくなっていることもありますが、紅秀峰や紅さやかは、色が濃くなるほどさくらんぼの深い味わいが楽しめます。

軸が太く緑色のもの

さくらんぼは、デリケートで日持ちの悪い「鮮度」が重要なフルーツです。果肉の状態で選ぶのはもちろんですが、軸が太くて緑色のものを選ぶのがおすすめです。

さくらんぼの軸が太くて緑色なのは、収穫してから日が浅い新鮮なさくらんぼで鮮度がいい証拠です。

一方、茶色く変色している軸は、収穫から時間が経ち鮮度が落ちていると判断できます。
軸が細い場合でも軸の色が緑色をしていれば、新鮮なさくらんぼと言えます。

山形のさくらんぼを食べてみよう!

山形県では、美味しいさくらんぼの品種が豊富に栽培されています。

さくらんぼの品種の中でも、抜群の知名度を誇る「佐藤錦」や大粒で日持ちする「紅秀峰」「紅てまり」は、お中元などの贈り物にもぴったりです。

美味しいさくらんぼを選ぶときには、「粒が大きくてハリやツヤがあり、色の濃いもの」「軸が太くて緑色のもの」を選ぶのがポイント!

また、収穫してすぐのタイミングなら、最も美味しいさくらんぼの味わいが楽しめます。

旬の季節には、ぜひ山形県のさまざまな品種のさくらんぼを味わってみてください。

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