お酒を飲むと楽しい気分になるだけでなく、ストレス発散になるという方も多いですが、つい飲みすぎてしまって翌日二日酔いになってしまい、辛い症状に悩まされた経験はありませんか？
実は、つらい二日酔対策として、コーヒーを活用できるケースもあります。
この記事では、二日酔の原因とあわせて、本当にコーヒは二日酔いに効果があるのか、二日酔対策になるおすすめのコーヒーの飲み方などについて解説します。
そもそも二日酔いの原因とは？
二日酔いは、お酒の飲みすぎによって生じます。しかし、その二日酔いの原因は、いまだに明確になっていません。
二日酔いの原因は、アルコールを分解したときに発生するアセトアルデヒドという物質だとする説が最も有力です。アセトアルデヒドとは、摂取したアルコールを肝臓が分解するときに作り出す物質で、血管を拡張する作用があります。
しかし、必ずしもアセトアルデヒドだけが原因とはかぎりません。例えば、アセトアルデヒド以外にも以下の原因が考えられます。
- 軽度の離脱症状であるという説
- 飲酒によってホルモンの分泌量が変化して脱水や低血糖が生じることによるものだとする説
- 体内の酸性とアルカリ性のバランスが崩れて症状がでるという説
離脱症状とは、依存性の高い物質の使用を辞めたときに起こる症状のことです。
このように二日酔いには様々な要因が考えられ、それらが組み合わさって起こると考えられています。
コーヒーは二日酔いに効果的だと言われる理由
「二日酔いにはコーヒーが効果的」と言われることがありますが、これにはまったく根拠がないわけではなく、実際にコーヒーが二日酔い対策になる理由が存在します。
ここでは、コーヒーと二日酔いの関係について解説しましょう。
カフェインには血管を収縮させる効果がある
コーヒーにはカフェインという物質が含まれていますが、カフェインは、血管を収縮させる効果があります。アルコールを分解したときに発生するアセトアルデヒドによって拡張した血管が、カフェインによって収縮し元に戻るため、頭痛が治まるというメカニズムです。
特に脳内は血管のすぐ外側が筋肉となっているため、特に痛みが生じやすいと言われています。
カフェインによって頭痛が和らぐことで、二日酔いの症状を抑えられる可能性があります。
カフェインには利尿作用がある
カフェインの持つ第二の効果として、利尿作用があります。利尿作用とは尿を出そうと促す効果のことです。
アセトアルデヒドなどの物質は尿と共に体外へ排出されます。つまり尿の回数が増えると体外へ出ていきやすくなります。
二日酔いの原因と考えられる体内の物質が排出されることで、頭痛がおさまる可能性があります。
クロロゲン酸の抗酸化作用
コーヒーに含まれている成分は、カフェインだけではなく、「クロロゲン酸」というポリフェノールの1種も含まれています。
クロロゲン酸には強い抗酸化作用があり、それが肝機能に良い影響を与えるという効果が研究で明らかになっております。
実際に自衛官を対象にした健康調査により、「コーヒーを飲んでいる人は肝機能検査の数値がいい」という傾向が確認されています。
二日酔い対策にコーヒーを飲む場合の注意点
コーヒーには二日酔いを緩和する効果が期待できますが、二日酔いのときにコーヒーを飲む際にはいくつかの注意点があります。
間違った飲み方をしてしまうと逆効果になる可能性もあるので、正しい飲み方を知り最も良い効果を得られるようにしましょう。
吐き気がある場合はコーヒーを控える
コーヒーの中に含まれるカフェインは、二日酔いに効果的な様々な効果があります。
しかし同時に胃腸に刺激を与える成分でもあるので、胃酸を分泌させ吐き気を促進させてしまう可能性があります。
そのため、吐き気を感じているときには、無理にコーヒーを飲まないようにしましょう。
特にブラックコーヒーは胃への刺激が強いため、注意が必要です。
先に水分を摂取してからコーヒーを飲む
アルコールにもカフェインにも利尿作用があり、体内の水分を排出しようとします。しかし利尿作用によって脱水症状を引き起こす可能性があるので、注意が必要です。
そのため、コーヒーを飲む前に水やスポーツドリンクなどで水分をたくさん摂取しておき、脱水症状にならないようにしてからコーヒーを飲むようにしましょう。
コーヒーの飲み過ぎに注意
コーヒーは1日に3～4杯程度が適量といわれており、飲みすぎるとかえって体に負担をかける可能性があります。
カフェインには、たしかに二日酔いの症状を軽減させる効果はあります。しかし同時にカフェインには覚醒作用や興奮作用もあるため注意が必要です。
コーヒーの飲み過ぎによってカフェインを過剰に摂取すると、眠れなくなったり、心臓に負担がかかったりという危険があります。
特に体調が優れない二日酔いの時には、コーヒーを飲むとしても1～2杯程度に抑えておきましょう。
二日酔いの際におすすめのコーヒーの飲み方
コーヒーは二日酔いに効果的ですが、飲み方を間違えると症状が悪化する恐れがあります。
そのため、二日酔いを悪化させないために飲み方を工夫する必要があるでしょう。
ここでは、おすすめのコーヒーの飲み方をご紹介します。
コーヒーに牛乳と砂糖を入れて飲む
二日酔いで胃がムカムカする場合は、牛乳を入れて飲むようにしましょう。なぜなら二日酔いの時には胃腸が弱っており、ブラックコーヒーを飲むと胃への刺激が強く、かえって気分が悪くなってしまうことがあるためです。
牛乳には胃の内壁を保護する成分が含まれており、胃酸で胃が弱るのを防げるため、できればブラックコーヒーではなく、牛乳をプラスして飲むことをおすすめします。
さらに、コーヒーに砂糖を加えることで、二日酔いの改善効果が高まります。
砂糖をはじめとした糖類には、コーヒーに含まれるクロロゲン酸と同じく肝機能を高める効果があるのです。
そのため、牛乳と砂糖を加えた甘めのカフェオレにして飲んでみましょう。
アイスよりホットコーヒーがおすすめ
コーヒーだけに限ったことではありませんが、二日酔いで弱った胃には冷たい飲み物はよくありません。
そのため、コーヒーを飲むときは、アイスではなくホットで飲むようにしましょう。
甘くてあたたかい、ホットカフェオレがおすすめですよ。
その他の二日酔いに効果的な飲み物
コーヒーが二日酔いに効果があることをお伝えしてきましたが、コーヒー以外に二日酔いに効く飲み物がいくつか存在します。
「コーヒーが苦手…」という方にもおすすめな、コーヒー以外の二日酔いによい飲み物を紹介します。
トマトジュース
トマトジュースは二日酔いに効果的な飲み物です。
カゴメ株式会社とアサヒグループの共同研究により、トマトジュースが飲酒後の血中アルコール濃度を低下させることが明らかになりました。
これは、トマトジュースとアルコールを一緒に摂ることで、お酒が体に残りにくくなったり、アルコールが早く抜けやすくなるということです。
他にもトマトにはリコピンやクエン酸、ビタミンCなど二日酔い対策に良いとされる成分が盛りだくさんです。
二日酔いでつらいときには、さっぱりとしたトマトジュースを飲んで気分をスッキリさせましょう。
スポーツドリンク
二日酔いのときは、脱水症状や糖分不足になっていることが多いです。そのため、効率的に水分と糖分を補給することが大切です。
スポーツドリンクは、水分も糖分も同時に摂取できるので、二日酔いの時には心強い味方となってくれます。
コーヒーを飲む場合でも、まずはスポーツドリンクで水分をしっかりと補給しましょう。
紅茶・お茶
紅茶やお茶はコーヒーと同様にカフェインが含まれているため、二日酔いに効果的です。
また、紅茶やお茶には、カフェインだけではなく、ビタミンCも含まれています。
ビタミンCには、アルコールの分解を促進する効果があるのです。
また緑茶に含まれるカテキンには口臭ケアの効果もあるので、お酒の飲み過ぎで口臭が気になる方にもおすすめです。
豆乳
豆乳に含まれている良質なタンパク質とサポニンには、肝機能を助ける効果があります。
肝機能はアルコールの分解に重要なため、豆乳は二日酔いのときにはぜひ摂りたい飲み物の一つです。
果汁100％のジュース
果汁100%ジュースに含まれているビタミンCは、アルコールを分解するお手伝いをしてくれます。
また、二日酔いの原因の一つとして低血糖が考えられるため、果物から糖分を摂取できるジュースはおすすめです。
特にオレンジジュースはゆっくりではありますが、血糖値が上がる飲み物なので、オレンジジュースを飲むことで脱水症状と低血糖のどちらも解消できます。
正しくコーヒーを活用して二日酔いを和らげよう
飲み会やご自宅でお酒を楽しんだ後に二日酔いになることもありますが、コーヒーを飲むことで症状が緩和される場合があります。
コーヒーを飲む場合は、牛乳をたっぷり入れた、甘くてあたたかいホットカフェオレがおすすめですよ。
また、朝一番でコーヒーを飲むのではなく、できれば先に水やスポーツドリンクなどでしっかりと水分補給をしておきましょう。
二日酔いにきくコーヒやその他の飲み物を正しく活用して、二日酔いの症状を和らげましょう。
